不動産の内見に行く前から「この物件、雰囲気まで分かった」と感じたことはありませんか?それを実現しているのがMatterport(マターポート)による3Dバーチャルツアーです。2011年に米国で創業したMatterport社の技術は、現在180カ国・1,000万件超のスキャンデータを保有するまで成長し、不動産・ホテル・民泊・建設現場など幅広い分野で活用されています。本記事では、Matterportの仕組みから料金・ROI分析まで、中立的な立場で実務的に解説します。
Matterportの仕組み:3Dスキャンから公開まで
スキャンの原理
Matterportは「LiDAR(ライダー)」または「360度カメラ」を使って空間を計測します。
- LiDAR方式(専用カメラ Pro2/Pro3):赤外線パルスを照射して壁・床・天井までの距離を計測。精度±1〜2cmで、6畳間を約3分でスキャン
- スマートフォン方式(iPhone 12 Pro以降のLiDAR搭載機):Pro機より精度は落ちるが、追加機材なしで撮影可能
- 360度カメラ方式(Ricoh Theta・Insta360等):Matterport公式アプリで取り込み可能。コストを抑えたい場合に有効
撮影後、データはMatterportのクラウドにアップロードされ、AIが自動で3Dメッシュを生成。通常1〜4時間で「ウォークスルーURL」が発行されます。
生成されるコンテンツの種類
| コンテンツ | 内容 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 3Dウォークスルー | 空間内を自由に歩き回れるインタラクティブモデル | 遠方客・海外投資家への内見代替 |
| フロアプラン | 自動生成の2D間取り図(寸法付き) | 物件詳細ページ・重説資料 |
| 計測ツール | 画面上で壁・天井高・窓幅を計測 | リフォーム見積もり前の採寸 |
| 埋め込みコード | iframeでWebサイトに貼り付け可能 | 自社サイト・SUUMO等への掲載 |
| 動画書き出し | ガイドツアー形式のMP4書き出し | YouTube・SNS投稿 |
Matterportの料金体系(2025年版)
スキャン・撮影費用
スキャン自体の費用は、依頼する業者によって異なりますが、国内の相場は以下の通りです。
| 物件規模 | 撮影時間の目安 | 相場費用 |
|---|---|---|
| 1LDK〜2LDK(50㎡以下) | 1〜2時間 | 2万円〜4万円 |
| 3LDK〜4LDK(80〜120㎡) | 2〜3時間 | 4万円〜7万円 |
| 一棟アパート・戸建て(150㎡以上) | 3〜5時間 | 7万円〜15万円 |
| 旅館・ホテル・商業施設 | 1〜2日 | 20万円〜 |
※交通費・出張費が別途かかる場合があります。
Matterportクラウドのサブスクリプション費用
撮影後のデータをホストするにはMatterportクラウドのプランが必要です。
| プラン | 月額(USD) | 保存可能スペース数 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Starter | $10/月 | 1スペース | 試験的な1物件のみ |
| Professional | $22/月 | 25スペース | 個人事業主・小規模仲介 |
| Business | $65/月 | 100スペース | 中規模不動産会社 |
| Enterprise | 要見積もり | 無制限 | 管理会社・ゼネコン |
注意点:スペース数を超えると追加料金が発生します。不動産会社で年間20〜30件の物件をMatterport化する場合、Professionalプランが現実的な選択肢です。
不動産での活用事例とROI分析
活用事例①:民泊・短期賃貸(Airbnb等)
民泊物件でMatterportを導入した場合、予約率の向上が最大の効果です。
- バーチャルツアーあり物件のAirbnb掲載ページ:滞在時間が平均3倍超に伸びる傾向
- 「思っていたのと違う」というキャンセル・クレーム:30〜50%減少する事例あり
- 遠方・海外ゲストの直接問い合わせ件数増加:都内物件で月5〜10件増の報告例あり
軽井沢や長野などのリゾートエリアの空き家活用物件では、東京・大阪の富裕層ゲストが内見なしで予約を決める際、Matterportの存在が決め手になるケースが増えています。
活用事例②:売買仲介・空き家流通
空き家や中古戸建ての売買では、遠方の購入検討者がわざわざ現地へ足を運ぶ前に物件の詳細を確認できるため、質の高いリード(見込み客)に絞れる効果があります。
| 指標 | Matterportなし | Matterportあり(目安) |
|---|---|---|
| 問い合わせから内見への転換率 | 15〜20% | 35〜50% |
| 内見から申し込みへの転換率 | 10〜15% | 25〜40% |
| 平均成約までの日数 | 60〜90日 | 30〜45日 |
上記は傾向値であり、物件の価格帯・立地によって大きく変わります。
簡易ROI計算例
物件:東京郊外の戸建て(100㎡)、売り出し価格3,500万円
- Matterport撮影費用:5万円
- クラウドホスティング(6カ月分):約1万円
- 合計投資:約6万円
成約が45日早まった場合のコスト削減(広告費・金利・維持費等):推定10〜20万円相当の節約
費用対効果の観点では、売却物件1件あたりのROIは**150〜300%**程度が期待できる計算になります。
Matterportを最大限活用するための実務ポイント
撮影前の準備チェックリスト
- 室内の片付け・ハウスクリーニング:映り込む荷物や汚れはそのままデータになる
- 採光の確認:昼間の撮影が基本。夜間撮影は照明設備が充実していても品質が落ちる
- 家具配置の最終確認:撮影後に家具を動かしても3Dデータには反映されない
- 立入禁止エリアの確認:スキャン不要の部屋はドアを閉めてスキャン対象から除外可能
撮影時のポイント(業者への指示事項)
- 撮影ポイント(スキャン位置)は1.5〜2m間隔が適切。間隔が広すぎると3Dモデルにゆがみが生じる
- 玄関・廊下・リビング・各居室・水回りをそれぞれ最低1ポイント以上スキャン
- 天井高が3m超の吹き抜けは別途専用設定が必要
公開後のメンテナンス
- URLはMatterportクラウドに従属するため、サブスクリプションを解約するとリンク切れになる点に注意
- 定期的に「アクティブビュー数」をダッシュボードで確認し、集客への貢献を数値で把握する
- 物件成約後はアーカイブ(非公開)に切り替えてスペース枠を節約する
Matterport導入を検討する際の注意点
向いている物件・向かない物件
Matterportが特に効果を発揮する物件:
- 遠方・海外からの購入/予約が見込まれる物件
- リフォーム済みや室内が広く映える物件
- 民泊・ゲストハウスなど空間の魅力を伝えたい物件
- 1,500万円以上の中高価格帯物件
費用対効果が出にくい物件:
- 10㎡以下のワンルームや激狭物件(空間の狭さが強調される)
- 築年数が古く室内状態が著しく悪い物件(むしろ悪印象になる可能性)
- 短期間(1ヶ月以内)で決まる見込みが高い物件
著作権と二次利用
Matterportで生成した3Dデータの著作権は、基本的にスキャンを依頼したクライアント側に帰属します。ただし、MatterportクラウドのIDに紐づくため、プランの変更や業者変更時はデータの引き継ぎ方法を事前に確認しておくことを推奨します。
ROCKEDGEでは、東京・世田谷エリアや埼玉・浦和エリアの物件でMatterportを活用したバーチャル内見サービスを提供しています。空き家活用・売却・民泊運用のどのフェーズでも、3Dスキャンの費用感や導入可否のご相談を承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
詳細な料金・法的手続き・地域の規制については、専門家へのご相談をおすすめします。
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