新宿区でMatterport 3D撮影が注目される理由——商業・住宅混在エリアの情報格差を埋める
新宿区は約18km²という限られた面積に、歌舞伎町・新宿三丁目・西新宿の高層ビル群から、大久保・落合・四谷・戸山などの住宅街までが混在する、東京屈指の商業・ビジネス集積地です。
新宿区の統計を見ると、この街の特殊性がはっきりと表れます。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 総人口 | 355,874人 | 新宿区「住民基本台帳人口」令和8年7月1日現在 |
| うち外国人住民 | 51,441人(約14.5%) | 同上 |
| 世帯数 | 235,527世帯 | 同上 |
| 昼間人口 | 793,528人 | 令和2年国勢調査 |
| 夜間人口(常住人口) | 349,385人 | 令和2年国勢調査 |
| 昼夜間人口比率 | 227.1 | 令和2年国勢調査 |
昼夜間人口比率227.1とは、夜間人口100人あたり昼間に227人がいる、つまり日中は住んでいる人の約2.3倍まで人口が膨らむことを意味します。
さらに、新宿区が公表している通勤・通学の流入超過人口(15歳以上の就業者・通学者)を見ると、新宿区へ通う人がどこから来ているかがわかります。
| 順位 | 市区町村 | 新宿区への流入超過人口 |
|---|---|---|
| 1 | 横浜市 | 27,937人 |
| 2 | 練馬区 | 27,184人 |
| 3 | 杉並区 | 23,552人 |
| 4 | 川崎市 | 22,248人 |
| 5 | 世田谷区 | 21,244人 |
(出典:新宿区「昼間人口・夜間人口」令和2年国勢調査集計)
つまり新宿区の物件を探している層は、現在は横浜市・川崎市・練馬区・杉並区・世田谷区などに住んでいる人が中心です。都心から遠い場所に住みながら新宿への転居を検討している人にとって、内覧のために平日夜や休日にわざわざ足を運ぶのは負担が大きく、ここに3Dバーチャルツアーが効く余地があります。
この地域の不動産市場では、築30〜50年超の旧耐震(1981年以前)マンションが多数流通しているという特徴があります。旧耐震基準(新耐震基準は1981年6月施行)とは、建築基準法改正前の設計で建てられた建物を指し、現行基準を満たすための耐震改修が推奨されています。物件の「現状」を正確に伝えることが、買主・借主との信頼構築において特に重要なエリアです。
Matterport(マターポート) とは、専用の3Dカメラで室内を全方位スキャンし、360度の没入型バーチャルツアーをウェブ上に公開するプラットフォームです。写真では伝わらない空間の奥行き・動線・天井高・窓の位置を遠隔で体感できる点が、築古物件の多い新宿区の不動産と相性の良いサービスです。
Matterport撮影費用の相場——新宿区の物件規模別目安
| 物件規模 | 広さの目安 | 撮影費用の目安 |
|---|---|---|
| 1K〜1LDK マンション | 25〜40m² | 3万5,000〜4万円 |
| 2LDK マンション | 40〜70m² | 3万5,000〜5万円 |
| 3LDK 一戸建て・大型マンション | 70〜120m² | 5万〜8万円 |
| 店舗兼住宅・事務所兼住宅 | 100〜200m² | 7万〜15万円 |
撮影にかかる時間
60〜80m²のマンションで現地撮影は2〜3時間が標準です。撮影後はクラウド処理が行われ、翌営業日〜2営業日以内に共有URLが発行されます。
遠方・多忙な検討者を取り込める
前述のとおり、新宿区への通勤・通学者の最大の流入元は横浜市(27,937人)です。横浜市内から新宿の物件を内覧するには往復2時間前後を要し、「候補5件を1日で回る」ことは現実的ではありません。3Dバーチャルツアーは、この移動コストが理由で候補から外れていた層を掲載段階で拾い上げる手段になります。
3Dツアーの効果に関する調査データ(米国市場)
3Dツアーの効果については、日本国内の公的な統計は現時点で確認できていません。参照可能な定量調査としては、Matterport社が公表している米国市場の分析があります。
- 調査対象:米国4地域の住宅リスティング 143,575件(うち3Dツアー掲載は3,935件)
- 調査期間:2016年11月〜2019年11月
- 手法:重回帰分析
- 実施者:Kelley Anderson氏(テキサス工科大学 博士課程)、K.T. Manis博士
この分析では、3Dツアーを掲載した物件は成約価格が4〜9%高く、成約までの期間が最大31%短いという結果が報告されています(出典:Matterport 公表資料)。
ただし、これは米国の住宅市場を対象としたデータであり、日本の不動産市場、まして新宿区の賃貸・売買にそのまま当てはまる数値ではありません。 商習慣・ポータルサイトの構造・仲介の仕組みがいずれも異なるため、あくまで「3Dツアーに一定の効果が観測されている」という参考情報としてお読みください。ROCKEDGEでは、効果を断定的な数値で保証することはしていません。
外国人・多国籍住民への対応
新宿区の外国人住民は51,441人、総人口355,874人に対して**約14.5%**を占めます(令和8年7月1日現在)。これは23区の中でも際立って高い比率です。大久保・百人町エリアを中心に、日本語での間取り図や物件説明だけでは情報が伝わりきらない場面が生じます。
Matterportのバーチャルツアーは、空間そのものを見せるため言語に依存しません。加えて、室内に配置するラベル(注釈)は英語・中国語・韓国語など多言語で設定できるため、設備の使い方やゴミ出しルールといった、トラブルになりやすい情報を事前に伝えることができます。
撮影から公開までの流れ
STEP 1 事前ヒアリング(1〜3日)→ STEP 2 現地撮影(2〜4時間)→ STEP 3 クラウド処理・品質確認(1〜2営業日)→ STEP 4 公開・埋め込み → STEP 5 公開後の管理
撮影当日までに準備しておくこと
撮影の品質は、当日の室内の状態でほぼ決まります。以下は最低限お願いしている項目です。
- 鍵の手配:管理会社預かりの場合、当日の解錠方法を事前に確定させる
- 電気の開通:空室でブレーカーが落ちていると照明が使えず、暗い部屋は3Dスキャンの精度が落ちる
- カーテン・ブラインドを開ける:自然光が入ると仕上がりが大きく変わる
- 個人情報の撤去:表札・郵便物・写真立て・書類はすべて片付ける(居住中物件では特に重要)
- 水回りの清掃:キッチン・浴室・洗面は3Dツアーで最も見られる箇所
新宿区で撮影する際に特有の注意点
- 駐車場所の確保:歌舞伎町・新宿三丁目周辺は路上駐車ができず、コインパーキングも満車になりやすいため、機材搬入の動線を事前に確認します
- エレベーターのない築古物件:新宿区は5階建て以下でエレベーターなしの物件が一定数あり、機材の運搬時間を見込んで撮影枠を確保します
- 狭小・変形間取り:戸山・落合などには変形地に建つ物件があり、スキャンポイント数が増えるぶん撮影時間が延びる傾向があります
- 店舗兼住宅の営業時間:新宿区は用途混在エリアが多く、店舗部分は営業時間外(開店前・定休日)の撮影をお願いする場合があります
築古マンション・旧耐震物件の記録管理
劣化状況の定期記録を年1〜2回残すことで、大規模修繕計画の根拠データとして活用できます。
AIスペースイレイサーで居住中物件を「空室状態」に見せる
撮影済みの3Dデータから家具・家電をAIが自動除去。オプション費用は1万〜2万円程度の上乗せが目安で、賃貸の空室期間短縮に貢献します。
新宿区の補助金・支援制度との組み合わせ
旧耐震マンションの耐震改修補助・東京都の省エネ改修支援制度と組み合わせることで、改修前後の記録・報告書類にMatterportデータを有効活用できます。
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