東京都渋谷区は代官山・広尾・松濤・代々木上原などの高級住宅街と、渋谷・恵比寿・表参道のビジネス・商業エリアが混在する、日本でも屈指の高地価エリアです。リノベーション需要は都内トップクラスで、外国人投資家の関心も年々高まっています。一方で、「高く売れるはずだが相場が読みにくい」「査定額の根拠がわからない」「売却益の税金がいくらかかるか不安」という声を持つオーナーも少なくありません。
本記事では、2026年の渋谷区における売却相場の最新動向から、査定・手数料・節税・Matterport活用まで、売却を成功させるために押さえておくべき情報を専門家の視点で解説します。
2026年の渋谷区不動産市場——売却相場の最新動向
マンションの売却相場(エリア別)
2026年の渋谷区では、マンション市場において高水準の価格が継続しています。エリア別のおおよその坪単価の目安は以下のとおりです(築10年以内・中高層物件を基準)。
| エリア | 坪単価の目安 |
|---|---|
| 代官山・恵比寿・広尾 | 700〜1,200万円 |
| 渋谷駅周辺・表参道 | 500〜900万円 |
| 代々木上原・幡ヶ谷・笹塚 | 400〜700万円 |
| 本町・西原・富ヶ谷 | 350〜600万円 |
専有面積50㎡(約15坪)の2LDKを基準にすると、代官山エリアでは1億円〜1億8,000万円超、代々木上原エリアでは6,000万円〜1億円程度になるケースも少なくありません。
戸建て・土地の売却相場
渋谷区の住宅地における公示地価の目安は、松濤・広尾周辺で1㎡あたり130万〜280万円前後です。30坪(約99㎡)の標準的な宅地の場合、土地だけで4,000万〜2億8,000万円前後の開きがあります。
戸建てが旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築確認を受けた建物)の場合、買主が住宅ローン審査で不利になるリスクがあり、売却価格に影響する場合があります。売却前に耐震診断(5万〜10万円程度)や耐震改修(100万〜300万円程度)の実施を検討に値します。
2026年の市場動向
渋谷区の不動産市場を押し上げている主な要因として、次の3点が挙げられます。
- 円安による外国人投資家の需要継続: 円安が続くなか、欧米・アジア系投資家にとって渋谷区の物件は割安感が生じやすく、国際的な不動産ポータルへの問い合わせが増加傾向にあります。
- 渋谷駅周辺の再開発効果: 渋谷スクランブルスクエア完成・東急東横線地下化など一連の再開発により、駅周辺エリアの利便性・認知度が向上し、住宅需要を下支えしています。
- リノベーション物件への需要: 都市部での新築供給が限られるなか、渋谷区では「古いが立地が良い」物件を購入してリノベーションする需要が旺盛で、築古物件でも土地値評価での売却が成立しやすい環境です。
査定額はどう決まる?AI査定と訪問査定の違い
AI査定(机上査定)のしくみ
**AI査定(机上査定(きじょうさてい))**とは、現地訪問なしで行う査定のことで、登録された成約データや公示地価・路線価などのビッグデータをもとにアルゴリズムが瞬時に価格を算出するサービスです。
- 所要時間: 入力から5分程度で結果が出る
- 匿名性: 個人情報を最小限にとどめたまま相場を確認できる
- 精度の限界: ±10〜20%程度に留まることが多く、渋谷区の1億円超の物件では誤差が1,000万〜2,000万円規模になる場合もある
リノベーション実施状況・日当たり・眺望・管理組合の健全性といった定性情報はAI査定には反映されないため、相場感の把握には有効ですが、最終的な売却価格の根拠には向きません。
訪問査定(現地査定)のしくみ
訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、室内の状態・設備・日当たり・周辺環境を直接確認したうえで価格を算出する方法です。精度はAI査定より高く、渋谷区の高額物件ほど正確な査定のためには現地確認が欠かせません。
渋谷区で特に重要な査定ポイント
渋谷区では以下の要素が査定額に大きく影響します。
- リノベーション・内装グレード: フルリノベーション済み物件は同築年・同エリアの未改装物件に対し10〜30%のプレミアムがつくケースがあります
- 接道条件(せつどうじょうけん): 前面道路の幅員が4m未満の**再建築不可(さいけんちくふか)**物件は融資が付きにくく、売却価格が大幅に下がる場合があります
- 管理組合の健全性(マンション): 修繕積立金の積み立て状況・大規模修繕の実施履歴は、買主の銀行審査に影響します
仲介手数料の計算と交渉のポイント
不動産売却において売主が負担する主なコストのひとつが**仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)**です。宅地建物取引業法で定められた上限額の計算式は次のとおりです。
上限 = 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税(10%)
具体的な金額の目安:
| 売却価格 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 3,000万円 | 約105万6,000円 |
| 5,000万円 | 約171万6,000円 |
| 8,000万円 | 約270万6,000円 |
| 1億2,000万円 | 約402万6,000円 |
交渉が有効なケースとは
仲介手数料はあくまで「上限」であり、交渉の余地がある場合があります。
- 両手仲介の場合: 同一の会社が売主・買主の双方から手数料を受け取る「両手仲介」では、会社の収入が両側から得られるため、交渉余地が生まれやすい傾向があります
- 高額物件・売れやすい立地: 渋谷区の人気エリアで需要が高い物件は、会社側のリスクが低いため交渉しやすい傾向があります
- 注意点: 手数料を大幅に引き下げた場合、販売活動の優先度が下がるリスクも考慮が必要です。値引き額よりも「信頼できる担当者・会社かどうか」を重視した判断をお勧めします
売却益の節税——3,000万円特別控除と長期譲渡所得
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームを売却した際に得られる利益(譲渡所得(じょうとしょとく): 売却価格 − 購入価格 − 諸経費)から、最大3,000万円を差し引ける「居住用財産の3,000万円特別控除」は、売主にとって有効な節税手段です。
主な適用条件:
- 売却する物件が自分の住居(マイホーム)であること
- 売却した年の前年・前々年に同特例を使っていないこと
- 売主と買主が親族などの特別な関係でないこと
- 転居後であっても転居から3年以内の売却であれば適用可能
長期譲渡所得と税率の目安
不動産の売却益にかかる税率は、所有期間5年以下(短期)と5年超(長期)で大きく異なります。
| 所有期間 | 所得税(復興特別税含む) | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 5年以下(短期) | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 5年超(長期) | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 10年超の居住用(軽減) | 10.21%(6,000万円以下の部分) | 4% | 14.21% |
渋谷区の高額物件では、3,000万円控除を適用しても課税対象の譲渡所得が残るケースがあります。たとえば購入価格5,000万円の物件が1億円で売却できた場合、諸費用を考慮しても3,000万円控除後に約2,000万円の課税対象が残ることがあります。この場合、長期保有(5年超)であれば税額は約407万円(2,000万円×20.315%)の目安です。
なお、購入時の売買契約書が手元にない場合、取得費が「売却価格の5%」とみなされ、税負担が大幅に増える場合があります。古い書類の保管状況を今のうちに確認しておくことをお勧めします。
売却の流れとMatterport活用による内覧なし売却
渋谷区での売却ステップと所要期間
一般的な不動産売却の流れと目安期間は以下のとおりです。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ① 査定依頼 | 複数社にAI・訪問査定を依頼 | 1〜2週間 |
| ② 媒介契約 | 専任・専属専任・一般媒介から選択 | 1〜2週間 |
| ③ 売り出し・内覧 | 各ポータルへの掲載・購入希望者対応 | 1〜3ヶ月 |
| ④ 価格交渉・契約 | 売買契約締結・手付金受領 | 1〜2週間 |
| ⑤ 決済・引渡し | 残金受領・所有権移転登記 | 1〜2ヶ月 |
全体では3〜6ヶ月程度が一般的な目安です。渋谷区の人気エリアでは引き合いが多く1〜2ヶ月以内に買い手が決まるケースもある一方、価格設定が高すぎると長期化するリスクもあります。
Matterport(マーターポート)による内覧なし売却
Matterportとは、専用の3Dカメラで室内を撮影し、インターネット上でバーチャル内覧ができるサービスです。スマートフォンやPCから実際に室内を歩いているような体験ができるため、渋谷区では次のようなニーズに活用されています。
- 海外・遠方からの投資家: 現地訪問せずに物件を詳細確認できるため、渋谷区を注目する外国人投資家から高い関心を集めています
- 居住しながら売却するオーナー: 内覧者を一人ひとり迎え入れる手間・プライバシー負担を大幅に軽減できます
- 成約スピードの向上: バーチャルツアーで事前に物件を気に入った購入希望者が内覧に来るため、商談がスムーズになる傾向があります
Matterportの撮影費用は物件規模にもよりますが5万〜15万円程度が目安です。人気エリアの物件では、早期成約・競合物件との差別化によるメリットがコストを上回るケースがあります。
渋谷区での不動産売却をご検討中の方は、ROCKEDGEへお気軽にご相談ください。査定依頼からMatterport撮影の手配、税務の初期整理まで、売却に関する包括的なサポートを提供しています。お問い合わせはこちら
まとめ
- 渋谷区のマンション売却相場は坪単価350〜1,200万円と幅広く、エリア・築年数・リノベーション状況で大きく変わる
- AI査定で相場感を把握したうえで、複数社の訪問査定を受けて比較することが重要
- 仲介手数料の上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」。両手仲介・高額物件では交渉の余地がある場合がある
- 3,000万円特別控除(マイホーム売却)と**長期譲渡所得の低税率(14.21〜20.315%)**を組み合わせることで節税効果が大きくなる
- Matterport活用でバーチャルツアーを公開し、内覧回数を絞りながら国内外の購入希望者にリーチできる
詳細は専門家へご相談ください。
ご相談はROCKEDGEへ
東京・浦和を拠点に、1都3県(東京・埼玉・神奈川・千葉)で売買・賃貸・リフォーム・相続不動産対応まで、住まいに関する総合的なご相談を承ります。
- 売買仲介
- 賃貸管理
- リノベーション
- 相続不動産
- 空き家管理(SONAIE)
- 防犯カメラ・特殊清掃