この記事でわかること
- サブリース契約中でも売却できる2つの方法
- サブリースの解約が難しい理由(借地借家法との関係)
- サブリースが売却価格に与える影響
- サブリース新法による保護と、確認すべき契約条項
「家賃保証(サブリース)が付いているワンルームを売りたいが、解約できないと言われた」「サブリースのままだと安くしか売れないのか」——投資用マンションで多いご相談です。中立的な立場で、売却の選択肢と注意点を整理します。
サブリース契約中の売却方法は2つ
サブリース(オーナーがサブリース会社に一括で貸し、会社が入居者に転貸する家賃保証の仕組み)が付いている物件でも、売却は可能です。方法は大きく2つあります。
| 方法 | 内容 | 価格の傾向 |
|---|---|---|
| ① 継承して売る | サブリース契約を引き継いだまま投資家に売却 | 保証賃料を基準に評価されるため低くなりやすい |
| ② 解約して売る | サブリースを解約し、空室または通常賃貸として売却 | 価格面で有利になりやすいが解約のハードルがある |
①は手続きの負担が小さい一方、保証賃料は相場より低めに設定されていることが多く、収益還元評価が下がりがちです。②は価格面で有利になりやすい反面、後述のとおり解約自体に交渉が必要です。
なぜサブリースの解約は難しいのか
サブリース契約では、転貸を行うサブリース会社が借地借家法上の「借主」として保護される構造があります。借地借家法では、貸主(この場合オーナー)からの解約・更新拒絶には「正当事由」が求められるため、オーナー側の都合だけでは解約が容易でないことがあります(e-Gov 借地借家法)。
加えて、契約書に次のような定めがあるケースもあります。
- 解約予告期間(例:6か月前通知など)
- 中途解約時の違約金
- 更新の自動継続条項
まずは契約書の解約条項を確認し、解約予告期間・違約金・正当事由の要否を把握することが出発点です。
サブリース新法による保護
サブリースをめぐるトラブルが社会問題化したことを受け、2020年に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(いわゆるサブリース新法)が成立しました。これにより、サブリース会社による誇大広告等の禁止や不当な勧誘等の禁止、契約締結前の重要事項説明が義務づけられています(国土交通省)。
「家賃は下がりません」「ずっと満室保証です」といった、リスクを説明しない勧誘で契約させられた場合は、規制対象となる可能性があります。契約時の説明に問題があったと感じる場合は、消費生活センター等への相談も選択肢です。電話勧誘で購入した経緯がある場合は、電話営業で買わされた投資用マンションの売却も参考にしてください。
保証賃料は減額されうる(賃料改定条項に注意)
サブリースで見落とされやすいのが、保証賃料は契約期間中に減額されうるという点です。多くのサブリース契約には「2年ごと」「数年ごと」といった賃料改定条項があり、サブリース会社から賃料の引き下げを求められることがあります。
サブリース契約も借地借家法第32条の借賃増減請求の対象になり得るとされており、「家賃は下がりません」という当初の説明があっても、改定の対象から外れるとは限りません。保証賃料が下がると、買い手が計算する利回りも下がるため、売却価格にも直結します。
契約書では次の点を確認してください。
- 賃料改定の時期(何年ごとに見直すか)
- 改定の根拠・条件(減額がどのような場合に行われるか)
- 更新時の賃料・更新料の扱い
家賃保証の仕組みそのものの注意点は、サブリース(家賃保証)契約の注意点もあわせてご覧ください。
売却価格への影響と進め方
サブリース付きで売る場合、買い手(投資家)は保証賃料をもとに利回りを計算します。保証賃料が相場より低いほど、また解約条件が厳しいほど、評価額は下がりやすくなります。一方、解約してから売れば居住用購入者も対象にできる場合があり、価格の選択肢が広がります(オーナーチェンジ売却と空室売却の違い参照)。
進め方の目安は次のとおりです。
- 契約書の解約条項を確認(予告期間・違約金・正当事由)
- 保証賃料と相場賃料の差を把握(差が大きいほど継承売却は不利)
- 「継承して売る」と「解約して売る」を価格で比較
- 解約の可否・条件をサブリース会社に確認
全体像は投資用ワンルーム・1LDKマンション売却の完全ガイドにまとめています。
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