REINSで自分の物件が公開されているか確認する方法

専任媒介契約を結んだ売主が、REINSへの物件登録を自分で確認する方法を解説。登録証明書の受け取り方、売主専用URLでの確認手順、囲い込みの見分け方まで宅建業法の条文とともに詳しく紹介します。

REINSとは何か?売主が知っておくべき基本知識

REINS(レインズ)とは、Real Estate Information Network Systemの略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産情報ネットワークです。全国4つの指定流通機構(東日本・中部・近畿・西日本)が管理しており、不動産会社が物件情報を登録・検索できる業者間専用のシステムです。

一般消費者がSUUMOやHOME’Sで物件を見られるのとは異なり、REINSは宅地建物取引業者(宅建業者)のみがアクセスできる閉じたネットワークです。しかし売主にとっても、自分の物件がREINSに登録されているかどうかは非常に重要な意味を持ちます。

なぜ売主にとってREINS登録が重要なのか

専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結した場合、宅建業者には法律上のREINS登録義務が課せられています。宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)第34条の2第5項・第6項によると、次のとおり規定されています。

  • 専属専任媒介契約:契約締結日から5営業日以内にREINSへ登録
  • 専任媒介契約:契約締結日から7営業日以内にREINSへ登録

この登録義務は、いわゆる「囲い込み」(自社だけで売買を成立させようと他社への情報提供を意図的に妨げる行為)を防ぐための法的な措置です。もし不動産会社がREINSに登録しないまま放置していれば、宅建業法違反となり、都道府県知事または国土交通大臣による業務停止処分や免許取消の対象になり得ます。


売主がREINS登録を確認できる「登録証明書」とは

自分の物件がREINSに正しく登録されているかを確認するための最も直接的な方法は、登録証明書の交付を求めることです。

宅建業法第34条の2第7項では、宅建業者はREINSへの登録後、遅滞なく登録を証する書面(登録証明書)を依頼者(売主)に交付しなければならないと定められています。この書面には以下の情報が記載されています。

  • 登録番号
  • 登録年月日
  • 有効期限

登録証明書が手元にない場合は、担当者に「登録証明書を交付してください」と明示的に依頼してください。正当な理由なく交付を拒む行為は法令違反です。もし交付を渋るようであれば、囲い込みを疑う一つのサインと受け取っても差し支えありません。

登録証明書が届かない・遅い場合の対処法

契約締結後、専属専任媒介なら5営業日・専任媒介なら7営業日を過ぎても登録証明書が届かない場合は、以下の手順で対応することをお勧めします。

  1. 担当者にメール・書面で確認:口頭より証拠が残る形で「REINS登録の状況と登録証明書の交付」を求める
  2. 会社の責任者(支店長・管理職)へエスカレーション:担当者からの回答がない場合は上席者に連絡する
  3. 都道府県の宅建業担当窓口へ相談:各都道府県の建設局・土木事務所等に宅建業者への行政指導を求めることができます

売主専用URLで自分の物件ページを確認する方法

登録証明書を入手したら、次のステップは売主専用のREINS確認URLにアクセスして登録内容を自分の目で確かめることです。

2013年以降、国土交通省の指導のもと、指定流通機構は売主・貸主が自分の物件の登録状況をオンラインで確認できる仕組みを整備しました。具体的な流れは以下のとおりです。

確認手順(東日本レインズの例)

  1. 東日本レインズの「物件確認サービス」(https://www.reins.or.jp/ ※業者向けトップ)のうち、売主向け確認ページにアクセスする
  2. 登録証明書に記載された登録番号パスワード(仲介業者から通知される)を入力する
  3. 登録されている物件情報(価格・面積・写真・ステータスなど)を確認できる

ここで確認すべき重要なポイントは以下の3点です。

  • 「公開中」か「非公開」かのステータス:公開中でなければ他社の業者から物件を探せない
  • 掲載情報の正確性:価格・所在地・面積・築年数などが正確か
  • 最終更新日:長期間更新されていないと、他社業者からのアクセスが減少する可能性がある

よくある「囲い込み」の兆候と見分け方

REINSへの登録は義務であっても、実態として問題のある運用が行われるケースが報告されています。国土交通省が2023年に公表した調査でも、一部の業者において囲い込みが疑われる事例が確認され、行政指導の対象となりました(国土交通省「不動産流通市場の活性化に関する検討会 報告書」2024年)。

囲い込みが疑われる具体的なサイン

  • REINSへの登録は確認できるが、他社から「紹介できない」と言われたという話を購入検討者経由で聞いた
  • 担当者が「他社からの問い合わせはない」と言うが、SUUMOなどポータルサイトには掲載されていない
  • 契約後2〜3週間が経過しても内見希望者がゼロと報告される
  • 「両手仲介(売主・買主双方から仲介手数料をもらう形態)」を強く希望している素振りがある

もし囲い込みが疑われる場合、売主には媒介契約の解除という選択肢があります。専任媒介契約は原則3か月以内の期間で定められており(宅建業法第34条の2第3項)、期間満了時に更新しないことで別の業者に切り替えることができます。期間中であっても、宅建業者による義務違反(登録義務違反など)が明確であれば、民法第541条(催告解除)に基づく契約解除を検討できる場合があります。


一般媒介契約の場合はどうなるか

ここまで専任・専属専任媒介を中心に解説しましたが、一般媒介契約の場合はREINSへの登録義務がありません(宅建業法第34条の2では一般媒介への登録義務規定がない)。

一般媒介では複数の業者に同時に依頼できる反面、各社がREINSに登録するかどうかは任意です。登録してほしい場合は、媒介契約書の特約欄に「REINS登録を行うこと」と明記することが有効です。


トラブルを防ぐために売主がとるべき行動まとめ

最後に、売主が自分の物件のREINS登録をめぐるトラブルを未然に防ぐための実践的なポイントをまとめます。

契約前

  • 専任・専属専任媒介を選ぶ場合は、登録義務の期限(5日 or 7営業日)と登録証明書の交付義務を担当者に確認する
  • 「囲い込みはしません」という口約束だけでなく、特約として媒介契約書に明記してもらう

契約後・登録後

  • 登録証明書を受け取ったら、売主専用URLで実際の掲載内容を自分の目で確認する
  • 月に1度はステータスや更新状況を確認する習慣をつける
  • 他社業者から「この物件は紹介できない」と言われたという情報が入ったら、すぐに仲介業者に説明を求める

問題が解決しない場合

  • **公益財団法人不動産流通推進センター(旧:不動産流通近代化センター)**への相談
  • 各都道府県の宅建業担当部署への行政相談
  • 弁護士・宅地建物取引士などの専門家への相談

自分の大切な財産を適切に売却するために、売主自身がREINSの仕組みを理解し、積極的に情報確認を行うことが重要です。


個別事情により取扱は異なります。専門家へご相談ください。

よくある質問

REINSへの登録義務は何日以内ですか?
宅建業法第34条の2第5項・第6項により、専属専任媒介契約は契約締結日から5営業日以内、専任媒介契約は7営業日以内にREINSへ登録する義務があります。一般媒介契約には登録義務がありません。
売主はREINSに直接アクセスして確認できますか?
REINSは宅建業者専用システムのため、売主が直接ログインすることはできません。ただし、指定流通機構が提供する売主向け確認サービスを通じて、登録番号とパスワードを使い、自分の物件の登録状況を確認することが可能です。
登録証明書をもらえない場合はどうすればいいですか?
登録証明書の交付は宅建業法第34条の2第7項で定められた義務です。交付されない場合は書面で催促し、それでも対応がない場合は都道府県の宅建業担当窓口(建設局・土木事務所等)に行政相談を行うことができます。
一般媒介契約でもREINSに登録してもらえますか?
一般媒介契約にはREINS登録義務がありませんが、媒介契約書の特約欄に「REINS登録を行うこと」と明記することで、任意に登録してもらうことは可能です。契約前に担当者に確認・交渉することをお勧めします。
囲い込みが疑われる場合、媒介契約を途中解除できますか?
専任媒介契約は原則3か月以内の契約期間が定められており(宅建業法第34条の2第3項)、期間満了後に更新しない形での変更が一般的です。ただし業者によるREINS登録義務違反など明確な契約違反がある場合は、民法第541条の催告解除が検討できる場合があります。弁護士への相談をお勧めします。
REINSのステータスが「公開中」でも売れない場合、何を確認すれば良いですか?
ステータスが「公開中」であれば他社業者からの閲覧は可能です。売れない場合は、①価格設定が相場と合っているか、②物件写真や説明文の品質、③他社からの問い合わせ件数のレポートを仲介業者から取り寄せ、戦略の見直しを検討してください。

出典・参考