凍る前に、
動かす。認知症と不動産・承継の特集
要点
- 資産凍結とは、認知症などで本人の判断能力が失われ、預金の引き出しや不動産の売却・契約・修繕など本人名義の行為ができなくなる状態です。
- 不動産の凍結を防ぐ主な手段は家族信託と任意後見で、いずれも本人が元気なうちに契約する必要があります。
- 不動産会社が担えるのは、物件の現状把握・価値の整理・信託後の管理と売却の実務です。契約の設計と登記・税務は司法書士・税理士が担います。
なにが止まるのか「資産凍結」は、不動産ではこう起きる
不動産の資産凍結とは、所有者本人の判断能力が失われることで、売却・賃貸借契約・修繕発注など本人の意思確認が必要な行為がすべて止まる状態です。預金口座の凍結はよく知られています。不動産では、本人の意思確認が必要な行為がすべて止まります。特に収益物件を持っている場合、賃貸経営そのものが動かなくなります。
| やりたいこと | 本人が判断できる間 | 判断能力を失った後(対策なし) |
|---|---|---|
| 自宅・空き家を売る | できる | できない |
| アパートの新規賃貸借契約・更新 | できる | できない |
| 大規模修繕・リフォームの発注 | できる | できない |
| 施設入居の費用に充てるため自宅を処分する | できる | できない |
| 家族が代わりに動く(家族信託・任意後見を準備済み) | 準備できる | 動かせる |
「対策なし」の場合、成年後見制度を申し立てれば一部は可能になりますが、裁判所の関与のもとで本人の財産を守ることが目的の制度であり、売却や修繕が自由にできるわけではありません。個別の可否は司法書士・弁護士にご確認ください。
3つの入口いまの状況に近いところから
家を、凍らせない
親が元気なうちに、家を「動かせる状態」にしておく。将来の売却・賃貸・解体を子が判断できるようにする準備です。
- 家族信託・任意後見のどちらが向くか(司法書士と整理)
- いまの家の価値と、貸す・売る・持つの比較
- 建物の状態を3Dで記録し、家族全員が同じ情報を持つ
賃貸経営を、止めない
契約・修繕・売却が止まると、入居者にも影響します。管理と判断を分けて、誰が何を決めるかを先に決めます。
- 信託した物件の管理・入居者対応の引き継ぎ
- 修繕計画と資金の見える化
- 法人で持つべきか、個人のままか(税理士と整理)
会社と不動産を、切り分けて渡す
社屋・店舗・社宅が会社の承継を難しくしていることがあります。不動産を先に整理すると、承継の選択肢が増えます。
- 事業用不動産の評価と、残す・売る・貸すの判断
- 親族外・第三者への承継で不動産がどう扱われるか
- 承継支援の専門家・公的窓口との連携
役割分担私たちが担うこと、専門家が担うこと
ROCKEDGEが担うこと
- 不動産の現状把握と価値の整理(売る・貸す・持つの比較)
- Matterportによる建物の3D記録(遠方の家族と状態を共有・別途有料)
- 信託・承継後の賃貸管理、入居者対応、修繕の実務
- 売却・賃貸・リノベーションの実行
- 司法書士・税理士・弁護士への橋渡しと、打ち合わせの同席
提携専門家が担うこと
- 家族信託・任意後見・遺言の設計と契約書作成(司法書士・弁護士)
- 信託登記・相続登記(司法書士)
- 相続税・贈与税・法人化の判断(税理士)
- 事業承継・M&Aの手続き(承継支援の専門機関)
法律・税務の判断は各専門家が行います。当社は不動産の実務を担当し、専門家費用は各事務所の規定によります。
相談の流れ初回は状況の整理だけ。契約を勧める場ではありません
- 状況を聞く持っている不動産、家族構成、心配していること。オンラインでも来社でも。
- 不動産を見る登記・図面・現地を確認し、価値と選択肢を整理。必要に応じて3D記録(別途有料)。
- 専門家と設計する司法書士・税理士を交えて、信託や承継の形を決める。当社も同席。
- 動かせる状態にする契約・登記が終わったら、管理や売却の実務を当社が引き継ぐ。
読む順番凍る前に知っておくこと
この特集は入口です。判断に必要なことは、住まい相談室の記事に書いてあります。 上から順に読めば、いま何をすべきかが決まります。
- 親が認知症で実家を売れない時に検討する成年後見と任意後見 まず「もう凍っている場合に何ができるか」を知る
- 任意後見と成年後見の違い|認知症に備える後見制度の選び方 凍る前と後で使える制度が違う。その線引き
- 家族信託で実家の凍結を防ぐ|認知症で不動産が売れなくなる前の備え 収益物件や複数所有なら、まずここを読む
- 相続の生前準備は何から始める?元気なうちにやるべきことの手順 順番が分からないときの全体像
- お盆の帰省で実家の将来をどう切り出す?もめない話し合いの順番 「親に切り出せない」が最初の壁になる人へ
- 不動産売却の必要書類チェックリスト 元気なうちに揃えておく書類はこれ
状況が決まっている方へ
- 空き家活用の選択肢:賃貸・民泊・解体更地化・売却の判断基準
- 生前の実家じまい|空き家にしないための整理と売却の準備
- 相続登記の義務化|3年以内の申請と過料
- 2026年の遺言制度改正|押印任意化と保管証書遺言の新設
- 賃貸経営を引き継ぐ・任せる(オーナー向けの窓口)
- 遠方の家族と建物の状態を共有する(Matterport 3D記録・別途有料)
制度の動き
よくある質問
親がすでに物忘れが増えています。間に合いますか
家族信託や任意後見は、本人が契約内容を理解できることが前提です。程度によって可否が変わるため、早めに司法書士・弁護士に状況を見てもらうことを勧めます。当社から専門家への橋渡しは無料です。
費用はいくらかかりますか
当社への初回相談と不動産の現状整理は無料です。信託契約や登記などの専門家費用は各事務所の規定によります。不動産の売却・管理を当社が担う場合の報酬は、業務内容ごとに事前に書面で提示します。
不動産が東京以外にあります
主な対応エリアは東京都内です。都外の物件は内容により対応可否をお伝えします。
会社の承継そのものも相談できますか
当社が担うのは不動産の部分です。承継全体は事業承継の専門機関や公的窓口と連携してご案内します。