相続税はいくらかかる?早見表と3ステップ計算法【基礎控除の使い方】

相続税はいくらかかる?基礎控除「3000万円+600万円×法定相続人」の早見表と、課税遺産→法定相続分→速算表で求める3ステップ計算法を計算例つきで解説。配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例、申告期限10か月以内まで丸わかり(2026年5月現在)。

この記事でわかること

  • そもそも自分の家は相続税がかかるのか、「基礎控除」の早見表ですぐに見当がつく
  • 相続税を出す「3ステップ計算法」を、実際の数字を当てはめながら追える
  • 相続税の速算表(税率と控除額の表)の見方がわかる
  • 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例で、税額が大きく下がる仕組みと注意点がわかる
  • 申告と納付の期限(10か月以内)と、何から手をつければいいかの「次の一歩」がわかる

相続税は「遺産の総額」から**基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)**を引いた残りにだけかかります。引いた結果が0以下なら、原則として相続税はかからず申告も不要です(2026年5月現在)。まずはこの一本の線で「かかる・かからない」を見分けるのが出発点です。

先月いただいたご相談から

先月、ご相談者様から「親が亡くなったが、相続税で家を取られてしまうのでは」と、とても不安そうにお電話をいただきました。お話を伺うと、遺産は実家(評価額3000万円ほど)と預貯金1000万円、相続人はご本人ときょうだいの2人。計算すると基礎控除は4200万円で、遺産総額とほぼ同じ。「これなら相続税はかからない可能性が高いですよ」とお伝えすると、電話口で安堵のため息が聞こえました。多くの方が、調べる前に必要以上に怖がっている——これが業界24年で繰り返し感じてきたことです。まずは落ち着いて、順番に確かめていきましょう。

うちは相続税がかかる? 基礎控除の早見表

最初にやることは、基礎控除(税金がかからない非課税の枠)がいくらかを知ることです。計算式はとてもシンプルです。

基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

「法定相続人」とは、法律で決まった相続する権利のある人(配偶者・子など)のことです。人数が多いほど枠は大きくなります。早見表にすると次のとおりです。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

遺産の総額がこの金額以下なら、原則として相続税はかからず、申告も不要です。 たとえば相続人が3人なら4800万円まで非課税。多くのご家庭は、この時点で「うちは対象外」とわかり、ここで安心される方が少なくありません。

ただし後で説明する特例を使って0円になる場合は、申告が必要です。「税額0=申告不要」ではない点だけ覚えておいてください。

相続税の3ステップ計算法

基礎控除を超えそうな場合は、次の3ステップで税額を出します。いきなり全部を理解しようとせず、順番に追えば大丈夫です。

ステップ1:課税される遺産の総額を出す

遺産の総額(不動産・預貯金・株式などの合計から、借金や葬式費用を引いたもの)から、先ほどの基礎控除を引きます。

課税遺産総額 = 遺産総額 −(債務・葬式費用)− 基礎控除額

ステップ2:いったん法定相続分で分けて税額を計算する

ここが少し独特です。実際にどう分けるかとは別に、まず「法定相続分」(法律が定める取り分の目安)で分けたと仮定して、各人の金額に税率をかけます。配偶者と子2人なら、配偶者1/2・子それぞれ1/4が法定相続分です。各人の税額を合計したものが「相続税の総額」になります。

ステップ3:実際に取得した割合で割り振る

ステップ2で出した「相続税の総額」を、実際に財産を受け取った割合に応じて各人に振り分けます。ここで配偶者の軽減などの特例を当てはめ、最終的に各人が納める税額が決まります。

速算表の見方と計算例

ステップ2で税率をかけるときに使うのが、相続税の速算表です。「取得金額×税率−控除額」で、その人の税額が一発で出ます。

法定相続分に応じた取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

【計算例】遺産総額8,000万円・相続人は配偶者と子2人(3人)の場合

  1. 基礎控除=3000万+600万×3=4,800万円。課税遺産総額=8000万−4800万=3,200万円
  2. 法定相続分で分ける:配偶者1/2=1,600万円/子それぞれ1/4=800万円
    • 配偶者:1,600万×15%−50万=190万円
    • 子1人:800万×10%=80万円(×2人)
    • 相続税の総額=190万+80万+80万=350万円
  3. 仮に法定相続分どおり受け取った場合、配偶者の税額軽減により配偶者分はゼロになり、子2人で計175万円を納めるイメージになります。

このように、表とかけ算・引き算だけで概算が出せます。

税額を大きく減らせる2つの特例

相続税には、特に住まいに関わる強力な軽減制度があります。いずれも使うには相続税の申告が必要で、申告しないと適用を受けられない点に注意してください。

  • 配偶者の税額軽減:配偶者が取得した財産は、1億6000万円または配偶者の法定相続分のどちらか多い金額まで相続税がかかりません。多くのケースで配偶者の負担はゼロ近くになります。
  • 小規模宅地等の特例:亡くなった方が住んでいた自宅の土地は、330㎡までその評価額を80%減にできます(居住用の場合)。土地の評価が大きく下がるため、実家の相続では効果が絶大です。

ただし、配偶者軽減を最大限使った結果、二次相続(残された配偶者が亡くなったとき)で子の負担が重くなることもあります。目先の節税だけで決めないのが、もめない・損しないコツです。

申告・納付の期限と「次の一歩」

相続税の申告と納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です(2026年5月現在)。遺産分割の話し合い、戸籍の収集、不動産の評価などを考えると、決して長くありません。期限に遅れると、本来使えた特例が受けられなかったり、加算税・延滞税がかかることもあります。

ここで多くのご家庭がつまずくのが、**不動産は「分けにくく・現金化しにくい」**という点です。相続人が複数いて、現金が少なく実家だけが残ると、「誰が住む?」「いくらで評価する?」で感情的なもつれが生じがちです。こうしたとき、**不動産を売って現金で公平に分ける「換価分割」**が、わだかまりを残さない有力な選択肢になります。

ROCKEDGEでは、ご実家の査定から売却、提携する税理士・司法書士との連携まで、特定の誰かに肩入れしない中立の立場でワンストップに伴走しています。「分けられずに困っている」段階で、早めに第三者を間に入れることが、結果的に家族がもめない一番の近道です。

相続税の計算や特例の可否は、土地の形状・同居の有無・遺産分割の仕方など個別の事情によって結論が大きく変わります。本記事は全体像をつかむためのものです。実際の判断は、税理士など専門家にご相談のうえで進めてください。


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よくある質問

遺産が基礎控除以下なら、本当に申告しなくていいの?
原則として、遺産総額が基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば相続税はかからず、申告も不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額が0円になる場合は、申告して初めて特例が認められるため、申告そのものは必要です(2026年5月現在)。
法定相続人の数は、どこまで含めて数えるの?
配偶者は常に法定相続人になり、これに子(いなければ親、さらにいなければ兄弟姉妹)が加わります。基礎控除の計算では、相続を放棄した人がいても放棄がなかったものとして人数に数えます。養子は実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人まで算入できます。
速算表の税率は、遺産全部にそのままかけるの?
いいえ。速算表は『各人が法定相続分で取得したと仮定した金額』にかけて、いったん相続税の総額を出すために使います。遺産総額に直接かけるのではなく、いったん法定相続分で分けて計算し、その後に実際の取得割合で割り振る、という二段階の仕組みです。
実家の土地があると相続税は高くなりますか?
土地は評価額が高くなりがちですが、亡くなった方の自宅の土地は小規模宅地等の特例により330㎡まで評価額を80%減らせる場合があります。適用には申告と一定の要件が必要です。土地の形状や同居の有無で結論が変わるため、評価額が大きい場合は早めに専門家に確認することをおすすめします。
申告の10か月に間に合いそうにないときは?
遺産分割がまとまらなくても、いったん法定相続分で取得したものとして期限内に申告・納付するのが原則です。その際に『申告期限後3年以内の分割見込書』を提出しておくと、後日分割が決まった時点で配偶者軽減などの特例を受け直せる場合があります。期限を過ぎる前に、必ず専門家へ相談してください。

出典・参考

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