投資用マンションの毎月の持ち出し(赤字)がつらい。売るべきか持ち続けるべきか

ワンルーム投資で家賃よりローン返済・管理費・修繕積立金が上回り毎月持ち出し(赤字)になっている方へ。売却すべきか保有を続けるべきかの判断軸を、中立な立場で整理します(2026年6月時点)。

この記事でわかること

  • 毎月の「持ち出し(赤字)」が本当にいくらなのかを正確に把握する方法
  • 売却すべきか保有を続けるべきかの判断軸
  • 「節税になるから持ち続ける」という説明の落とし穴
  • 売却に動く前に確認すべきこと

「家賃は入っているのに、ローン返済と管理費・修繕積立金を払うと毎月数千円〜数万円のマイナス」——投資用ワンルーム・1LDKマンションでよくあるご相談です。この毎月の持ち出しがつらく、売却を考え始めたものの、何から確認すればよいか分からないという方に向けて、中立的な立場で判断材料を整理します。

結論

毎月の持ち出しが続く投資用マンションは、まず月間キャッシュフロー(家賃収入−ローン返済・管理費・修繕積立金・賃貸管理委託料・税)を正確に把握することが判断の出発点です。「節税(損益通算)になるから持ち続ける」は減価償却が減るほど効果が薄れるため、収支・ローン残債・相場を整理して損切りの時期を見極めることが重要です。

まず「毎月いくら持ち出しているか」を正確に出す

感覚ではなく、実際のキャッシュフローを計算することが出発点です。

月間キャッシュフロー = 家賃収入 −(ローン返済額 + 管理費 + 修繕積立金 + 賃貸管理委託料 + 固定資産税の月割り)

さらに、次の「見えにくいコスト」も年間ベースで加味すると実態に近づきます。

  • 空室期間中の収入ゼロ(入退去のたびに発生)
  • 退去時の原状回復費・募集時の広告料(AD)
  • 数年〜十数年ごとの大規模修繕の一時金
  • 設備(エアコン・給湯器等)の交換費用

新築・築浅で買った物件ほど、購入後に家賃が下がり、逆に修繕積立金は段階的に上がるため、持ち出し額は時間とともに拡大しやすい構造があります。

「節税になるから持ち続けた方がよい」の落とし穴

販売時や保有中に「赤字でも確定申告で税金が戻る(損益通算)から大丈夫」と説明されることがあります。仕組み自体は事実で、減価償却費を計上して不動産所得を赤字にし、給与所得と損益通算することで所得税・住民税が軽減される場合があります(国税庁タックスアンサー No.2250)。

ただし、次の点に注意が必要です。

  • 減価償却の効果は逓減する:建物の償却が進むほど計上できる額は減り、耐用年数を過ぎると取れなくなります。節税効果は永続しません。
  • 節税額より実際の持ち出しが大きいことが多い:戻ってくる税金よりも、毎月の現金支出(持ち出し)の方が大きければ、トータルでは現金が減り続けています。
  • 売却時に跳ね返る:保有中に計上した減価償却費の分だけ建物の取得費が下がり、売却時の譲渡所得(=課税対象の利益)が増える関係にあります(国税庁 No.3261)。「保有中の節税」と「売却時の税負担」はセットで考える必要があります。

節税効果は「現金の損」を埋め合わせる魔法ではありません。**実際のキャッシュフロー(現金の増減)**を主軸に判断することをおすすめします。

売る/持ち続けるの判断軸

毎月赤字だからといって、必ず売るのが正解とは限りません。次の3点を合わせて判断します。

判断軸確認すること
① 売って完済できるか現在の売却見込み価格がローン残債を上回るか。下回る場合は残債超過(オーバーローン)の対応が必要
② 累積損失の見通し今後も持ち出しが続く場合、保有を続けた数年間の累積赤字と、今売って確定する損失のどちらが小さいか
③ 将来コストの増加修繕積立金の値上げ予定・大規模修繕一時金・空室リスク・家賃下落の見通し

①で売却見込み価格が残債を十分上回り、②で「持ち続けるほど損失が膨らむ」見通しなら、売却が有力な選択肢になります。逆に、立地が良く家賃が安定し、残債の返済が進んで売却益が見込める段階に近いなら、保有継続にも合理性があります。

売却に動く前に確認すること

  1. ローン残債を金融機関に確認(繰上返済時の手数料や違約金の有無も)
  2. 現在の売却見込み価格を複数社で把握投資用マンション売却の売り時と利回りの関係も参考に
  3. 入居中(オーナーチェンジ)か空室かで価格が変わるオーナーチェンジ売却と空室売却の違い
  4. 売却益が出る場合の税負担を試算投資用マンション売却時の譲渡所得税
  5. サブリース契約がある場合は解約条件を確認サブリース契約中のワンルームを売却したい

全体像は投資用ワンルーム・1LDKマンション売却の完全ガイドにまとめています。


「売るべきか」の整理からご相談ください

「毎月の赤字がつらいが、売って損が確定するのも怖い」——このお悩みは、収支・残債・相場・税負担を一度に並べて見ないと判断できません。ROCKEDGEでは、売却を前提とせず「保有を続ける場合と売る場合、どちらが損失を抑えられるか」の整理からご相談を承っています。中立的な立場でお話しします。

対応エリア: 東京・埼玉・神奈川・千葉(1都3県)

無料相談はこちら → お問い合わせフォーム

よくある質問

毎月の持ち出し(赤字)が続いているなら、すぐ売った方がよいですか?
一概には言えません。判断には「毎月の赤字額」だけでなく、ローン残債と現在の売却見込み価格の差(売って完済できるか)、減価償却による節税効果、今後の家賃下落・修繕積立金値上げの見通しを合わせて見る必要があります。赤字でも売却で損失が確定するより保有が有利なケースもあれば、早く手放した方が累積損失を抑えられるケースもあります。本記事の判断軸をご覧ください。
毎月の収支がマイナスかどうかは、どう計算すればよいですか?
「家賃収入 −(ローン返済額 + 管理費 + 修繕積立金 + 賃貸管理委託料 + 固定資産税の月割り)」で実際のキャッシュフローを計算します。さらに、空室期間・原状回復費・将来の大規模修繕一時金も加味すると実態に近づきます。確定申告の損益(減価償却を含む)とキャッシュフローは別物である点に注意が必要です。
持ち出しがあると確定申告で得をするから持ち続けた方がよいと言われました。本当ですか?
減価償却費を計上することで不動産所得が赤字になり、給与所得と損益通算して所得税・住民税が軽減される場合があります。ただし減価償却は期間が経つと取れる額が減り(とくに耐用年数経過後)、節税効果は逓減します。また売却時には計上した減価償却費の分だけ取得費が減り、譲渡所得税が増える関係にあります。節税効果と実際の現金支出は分けて考える必要があります。

出典・参考

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