幅の狭い道にしか接していない空き家でも、建て替えができる場合があります
2023年12月13日に施行された改正空家法で、市区町村が「空家等活用促進区域」を定められるようになりました。この区域の中では、これまで建て替えが難しかった「幅の狭い道にしか接していない敷地」でも、一定の条件を満たせば建て替えの道が開けます。使っていない実家や相続した空き家が、道の狭い場所にある方に関係する話です。
何が変わったのか
改正空家法(令和5年法律第50号)によって、市区町村は「空家等活用促進区域」と、その区域での方針である「空家等活用促進指針」を定められるようになりました。区域の中では、建物の敷地が道に接していることを求める「接道規制」が合理化されます。具体的には、幅員1.8m以上4m未満の道に2m以上接している敷地にある空家等が対象です。その敷地が指針の定める「敷地特例適用要件」に適合し、さらに特定行政庁(建築の許可を担当する役所)が交通上・安全上・防火上・衛生上の支障がないと認めた場合に、接道規制が適用されなくなります。つまり「区域の指定」「指針の要件への適合」「特定行政庁の認定」の3つがそろって初めて使える仕組みです。
首都圏の住まいへの影響
東京・埼玉・神奈川・千葉には、幅の狭い道に面した古い住宅地が各地にあります。そうした場所では、空き家を壊しても新しく建てられない、という理由で手が付けられないまま放置されてきた例があります。今回の仕組みは、そうした敷地に建て替えや活用の選択肢が生まれる可能性を示すものです。ただし、この特例は市区町村が空家等活用促進区域を定めた区域の中だけで働きます。自分の空き家がある場所が区域に入っているか、入っている場合の要件はどうなっているかは自治体ごとに異なりますので、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
いつ・何を確認すればいいか
- 改正空家法の施行日は2023年12月13日です。すでに施行されています。
- 空き家のある市区町村が「空家等活用促進区域」と「空家等活用促進指針」を定めているかを、自治体の空き家担当窓口に確認する。
- 敷地が接している道の幅(1.8m以上4m未満かどうか)と、敷地が道に接している長さ(2m以上かどうか)を測って把握しておく。
- 実際に建て替えができるかどうかは特定行政庁の判断が必要です。最新の運用や区域の指定状況は、下記の一次ソースや自治体・建築士などの専門家にご確認ください。
よくある質問
Q. 全国どこでも、狭い道に接した空き家なら建て替えられるようになったのですか。 いいえ。市区町村が定めた「空家等活用促進区域」の中にある空家等が対象です。区域の外では、この特例は使えません。まずは自治体に区域の指定があるかをご確認ください。
Q. 道の幅が1.8mより狭い場合はどうなりますか。 確定している内容では、対象は幅員1.8m以上4m未満の道に2m以上接している敷地です。1.8m未満の道については、この特例の説明の範囲に含まれていません。個別の事情は自治体や特定行政庁にご確認ください。
Q. 条件に当てはまれば、自動的に建て替えられますか。 自動ではありません。指針が定める「敷地特例適用要件」に適合したうえで、特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上の支障がないと認める必要があります。判断は個別に行われますので、計画の前に窓口や専門家へご相談ください。なお、相続の登記は司法書士・弁護士、税金の取り扱いは税理士など、それぞれの専門家にご確認ください。
出典: 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html