長寿命化のための大規模修繕を終えたマンションは、翌年度の固定資産税(建物部分)が減額されます
築20年以上・総戸数10戸以上のマンションにお住まいの方、または管理組合の理事を務めている方に関係する制度です。一定の要件を満たす「長寿命化に資する大規模修繕工事」を行うと、その翌年度に各区分所有者へ課される建物部分の固定資産税が減額されます。対象となるのは、令和9年(2027年)3月31日までに完了する工事です。
何が変わったのか
対象は、築20年以上で総戸数10戸以上のマンションです。ここで一定の要件を満たす長寿命化に資する大規模修繕工事を行うと、工事が終わった翌年度分について、各区分所有者に課される建物部分の固定資産税が減額されます。
減額される割合は6分の1から2分の1の範囲で、市町村の条例によって定められます。国が示す参酌基準(各市町村が条例を決めるときに参考にする基準)は3分の1です。つまり、同じ工事をしても、マンションが建っている市区町村によって減額の幅が変わりうる、という点が大きな特徴です。
減額の対象は建物部分の固定資産税で、適用されるのは工事完了の翌年度です。適用対象となる工事は、令和9年(2027年)3月31日までに完了するものとされています。
首都圏の住まいへの影響
東京・埼玉・神奈川・千葉には、築20年を超えたマンションが数多くあります。ちょうど2回目・3回目の大規模修繕を検討する時期に差しかかっている管理組合も少なくないはずです。
実務上のポイントは2つあります。ひとつは、減額の割合が市町村の条例で決まることです。首都圏といっても、東京23区・市部・埼玉・神奈川・千葉の各市町村でそれぞれ条例が異なりえます。ご自身のマンションが所在する自治体で、実際に何分の1と定められているのかを個別に確認する必要があります。
もうひとつは期限です。対象は2027年3月31日までに「完了する」工事です。大規模修繕は、管理組合での合意形成、施工会社の選定、資金計画の確認まで含めると準備に相応の時間がかかります。着工の時期ではなく完了の時期で判断されるため、逆算して段取りを考えることが重要になります。
なお、この制度は「築20年以上・総戸数10戸以上」といった要件と、「一定の要件を満たす長寿命化に資する大規模修繕工事」であることが前提です。どの工事が該当するかの細かな判断は、一次ソースや自治体の窓口でご確認ください。
いつ・何を確認すればいいか
- 工事の完了時期を確認する — 対象は令和9年(2027年)3月31日までに完了する工事です。着工日ではなく完了日が基準になります。最新の期限や取り扱いは、必ず一次ソース(国土交通省のページ)でご確認ください。
- 自分のマンションが要件に当てはまるか確認する — 築20年以上か、総戸数10戸以上か、という基本要件をまず押さえてください。
- 所在する市区町村の減額割合を調べる — 6分の1から2分の1の範囲で条例が定めます(参酌基準は3分の1)。お住まいの自治体の税務担当窓口にお問い合わせください。
- 管理組合で早めに議題に上げる — 大規模修繕は合意形成に時間がかかります。具体的な手続きや必要書類については、管理会社や自治体の窓口、税務については税理士にご相談ください。
よくある質問
Q1. 減額されるのは、いつの分の固定資産税ですか?
工事が完了した翌年度に、各区分所有者へ課される建物部分の固定資産税が減額の対象となります。対象は建物部分で、期間は翌年度分です。それ以外の範囲については、一次ソースや自治体の窓口でご確認ください。
Q2. 減額の割合はどれくらいですか?
6分の1から2分の1の範囲で、市町村の条例が定めます。国が示す参酌基準は3分の1です。実際に何分の1になるかはマンションが所在する市区町村によって変わりますので、その自治体の定めをご確認ください。
Q3. どんなマンションでも対象になりますか?
いいえ。築20年以上で総戸数10戸以上のマンションが対象で、さらに一定の要件を満たす長寿命化に資する大規模修繕工事であることが必要です。個別の工事が該当するかどうかの判断は、国土交通省のページや自治体の窓口、専門家にご確認ください。
一次ソース: 国土交通省 マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000121.html
※本記事は制度の概要をわかりやすくお伝えするものです。税額の具体的な計算や申告については税理士に、登記に関することは司法書士・弁護士にご相談ください。最新の内容は必ず一次ソースでご確認ください。