手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー改修で、翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます(2031年3月31日までの工事が対象)

親御さんが住んでいる家に手すりを付けたい、玄関や廊下の段差をなくしたい——そう考えている方に関わる制度です。新築から10年以上たった持ち家で、一定の条件を満たすバリアフリー改修を行うと、その翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます。対象になるかどうかは、住んでいる方の年齢や介護認定の有無、工事費の金額で変わります。

何が変わったのか

この減額措置は、バリアフリー改修をした住宅の固定資産税を軽くするしくみで、2031年3月31日までに完了した工事が対象です。条件は大きく3つあります。まず、家が新築から10年以上たっていること。次に、そこに65歳以上の方、要介護または要支援の認定を受けた方、障がいのある方のいずれかが住んでいること。そして、補助金を差し引いた後の工事費が50万円(税込)を超えていることです。工事の内容としては、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー改修が挙げられています。これらを満たすと、翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます。

なお、賃貸住宅は対象外です。人に貸している家ではなく、ご本人やご家族が住んでいる家のための制度だと考えてください。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉で持ち家にお住まいの方も、条件を満たせばこの制度を使えます。「新築から10年以上」という条件があるため、長く住んでこられた家ほど当てはまりやすいといえます。親御さんの家に手すりを付ける、段差をなくすといった工事を検討しているご家庭では、工事の計画段階からこの減額措置を頭に入れておくと無駄がありません。

気をつけたいのは、申告先が市区町村だという点です。首都圏は自治体の数が多く、必要な書類の様式や窓口の名称は自治体ごとに異なります。工事を頼む会社に「バリアフリー改修の固定資産税の減額申告に使う書類を出してほしい」と早めに伝えておくと安心です。

もう一つは、実家を人に貸している場合です。賃貸住宅は対象外なので、賃貸に出しながらこの減額を受けることはできません。親御さんが住み続ける前提の工事なのか、貸すことを考えているのかで判断が変わります。

いつ・何を確認すればいいか

  • 工事の期限:対象は2031年3月31日までに行う工事です。時間に余裕はありますが、工事内容が条件に合うかは着工前に確認してください。
  • 申告の期限:工事が完了してから3か月以内に、家がある市区町村へ申告します。ここを過ぎると受けられないおそれがあるため、工事完了日をはっきり記録しておいてください。
  • 工事費の金額:補助金を差し引いた後の金額が50万円(税込)を超えているかを、見積書と交付が決まった補助金の額の両方で確認します。
  • 自治体への事前確認:必要な書類や様式、住んでいる方の要件の確認方法は市区町村の資産税担当課へ。最新の内容は必ず下記の一次ソースや、お住まいの自治体の案内でご確認ください。

よくある質問

Q. 親が住んでいる家ですが、名義は親のままです。対象になりますか。 A. この制度は、新築から10年以上たった家に65歳以上の方や要介護・要支援認定を受けた方、障がいのある方が住んでいる場合を対象としています。名義や税金の扱いについては個別の事情で変わりますので、固定資産税の課税内容はお住まいの市区町村へ、税務上の取り扱いは税理士へご確認ください。

Q. 工事費が50万円ちょうどだと対象になりますか。 A. 条件は「補助金を差し引いた工事費が50万円(税込)を超えること」です。ちょうど50万円では超えていないことになります。また、補助金を受けた場合はその分を引いた後の金額で判断します。ご自身のケースでの計算は、見積書を持って市区町村の窓口で確認するのが確実です。

Q. 申告を忘れてしまいました。あとから手続きできますか。 A. 申告は工事完了から3か月以内とされています。それを過ぎた場合の取り扱いについては、この制度の案内だけでは判断できません。まずはお住まいの市区町村の担当課にご相談ください。

本記事は国土交通省の公表資料をもとに、制度のあらましをやさしくまとめたものです。個別の判断や、税金・登記に関わるご相談は、税務は税理士、登記は司法書士・弁護士など専門家へお問い合わせください。

一次ソース:国土交通省「バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001732363.pdf