年末残高証明書が届かないのは、新しい「調書方式」が始まったからかもしれません

住宅ローン控除を受けている方のもとに、これまで毎年秋ごろ金融機関から届いていた「年末残高証明書」が、今年は来ていない——そんなご相談が増えています。令和6年分以降の確定申告・年末調整では、証明書を使わずに手続きできる「調書方式」という仕組みが使えるようになりました。証明書が届かないこと自体は、手続きの不備ではありません。

何が変わったのか

令和6年分以降、住宅ローン控除の手続きには「調書方式」が使えるようになりました。この方式では、借入先の金融機関が税務署に「年末残高等調書」を提出し、国税当局がその内容をもとに納税者へ「年末残高等情報」を提供します。つまり、年末の借入残高を税務署側がすでに把握している状態で手続きが進みます。そのため、この方式の対象になった方には、金融機関から年末残高証明書が交付されません。ただし、この方式を使うには、マイナンバーなどを記載した「住宅ローン控除の適用申請書」を、借入先の金融機関へ提出しておく必要があります。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉で住宅を買い、住宅ローン控除を受けている方にとっては、毎年の手続きの流れそのものが変わる話です。首都圏は借入額が大きくなりやすく、控除の金額も家計に占める割合が大きいため、「証明書が来ないから申告できない」と思い込んで手続きを止めてしまうと影響が出かねません。郵便が届かなかったのか、調書方式に切り替わったのかは見分けがつきにくいので、まず借入先の金融機関に自分がどちらの扱いになっているかを確かめるのが確実です。複数の金融機関から借り入れている方(ペアローンや借換えを経ている方など)は、金融機関ごとに扱いが違う可能性もあります。

いつ・何を確認すればいいか

  • 借入先の金融機関に、自分が調書方式の対象になっているか、年末残高証明書は交付されるのかを確認する
  • 調書方式を使いたい場合は、マイナンバー等を記載した「住宅ローン控除の適用申請書」を金融機関へ提出済みかを確認する
  • 年末調整で手続きする方は、勤務先の担当部署に今年必要な書類を早めに確認しておく
  • 申請書の提出時期や確定申告の期限など、最新の取り扱いは一次ソース(国税庁 No.1230)でご確認ください

よくある質問

Q. 年末残高証明書が届きません。手続きできないのでしょうか。 A. 調書方式の対象になっている場合、金融機関から年末残高証明書は交付されません。届かないこと自体が不備ではなく、その場合は国税当局から提供される年末残高等情報を使って手続きします。ご自身がどの扱いかは借入先の金融機関にご確認ください。

Q. 調書方式を使うために、自分で何かする必要はありますか。 A. あります。マイナンバー等を記載した住宅ローン控除の適用申請書を、借入先の金融機関へ提出する必要があります。提出していない場合の取り扱いや提出方法は、金融機関と一次ソースでご確認ください。

Q. いつの分から対象になるのですか。 A. 令和6年分以降の確定申告・年末調整で使える仕組みです。ご自身の申告内容や控除額の計算など個別の判断が必要な点は、税務署または税理士にご相談ください。登記に関することは司法書士や弁護士が窓口になります。