相続で農地を受け継いだら、登記とは別に農業委員会への届出が必要です
親から実家を相続したとき、その土地のなかに畑や田んぼが含まれていることがあります。この場合、法務局での相続登記を済ませただけでは手続きは終わりません。農地法第3条の3により、その農地がある市町村の農業委員会へ届け出る義務があり、怠ると過料の対象になります。首都圏で実家を相続する方にも関係する話です。
何が変わったのか
相続などで農地の権利を取得した人は、その農地のある市町村の農業委員会へ、遅滞なく届け出なければならないと農地法第3条の3で定められています。これは所有権を移す相続登記とは別の、農地であることに着目した手続きです。届出をしなかったとき、または内容に偽りがある届出をしたときは、農地法第69条により10万円以下の過料に処せられます。過料は前科がつく刑罰ではありませんが、金銭の負担が生じる制裁です。条文の正確な文言は、記事末尾の一次ソースでご確認ください。
首都圏の住まいへの影響
東京・埼玉・神奈川・千葉でも、市街化区域のなかに畑が残っている地域は珍しくありません。住宅地のあいだにある小さな畑や、家庭菜園のように使われている土地が、登記簿上は農地(地目が田・畑)というケースがあります。相続した方が「宅地のつもりだった」「家庭菜園程度だから関係ない」と考えて登記だけで手続きを終えると、農業委員会への届出が抜け落ちてしまいます。実家を相続する際は、建物と敷地だけでなく、付属する土地の地目まで一度確認しておくと安心です。農地にあたるかどうかの判断に迷う場合は、その市町村の農業委員会に直接たずねるのが確実です。
いつ・何を確認すればいいか
- 相続した不動産の登記事項証明書を取り、地目に「田」「畑」が含まれていないかを確認する
- 農地が含まれていたら、その農地がある市町村の農業委員会に連絡し、届出の用紙・必要書類・提出方法を確認する
- 届出は「遅滞なく」行うこととされています。具体的な期限や運用は市町村によって案内が異なる場合があるため、最新の取り扱いは一次ソースと農業委員会にご確認ください
- 相続登記そのものの手続きや期限については司法書士・弁護士へ、相続税など税金の扱いについては税理士へご相談ください
よくある質問
Q. 相続登記をすれば、農業委員会への届出は不要ですか。 A. いいえ。農地法第3条の3の届出は、相続登記とは別に必要とされている手続きです。登記を済ませたことをもって届出に代えることはできません。
Q. 届出をしないとどうなりますか。 A. 届出をしなかった場合、または虚偽の届出をした場合は、農地法第69条により10万円以下の過料に処せられるとされています。
Q. どこに届け出ればよいのですか。 A. その農地がある市町村の農業委員会です。相続人の住所地ではなく、農地の所在地が基準になります。届出書の様式や添付書類は市町村によって案内が異なることがあるため、事前に問い合わせてください。
一次ソース: e-Gov法令検索 農地法(第3条の3・第69条) https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229/
本記事は制度の概要を一般向けにご案内するものです。個別の事情による判断は、農業委員会および司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。