公正証書が電子データで作れるようになり、ウェブ会議での手続きも選べます
公正証書の作成に関する一連の手続きがデジタル化され、2025年12月13日から公正証書は原則として電子データで作成されることになりました。遺言を含む公正証書が対象です。これから公正証書遺言を考えている方や、ご家族の相続の準備を進めている方に関わる変更です。
何が変わったのか
これまで公正証書は紙で作成するのが基本でしたが、2025年12月13日からは原則として電子データで作成されます。あわせて、公証役場に出向かなくてもインターネットで嘱託(作成の申し込み)ができるようになりました。さらに、嘱託人からの申出を公証人が相当と認めた場合には、ウェブ会議で手続きを進めることができます。できあがった公正証書の正本・謄本についても、電子データで受け取ることを選べます。ただし、ウェブ会議での手続きは公証人が相当と認めた場合に進められるもので、どんなケースでも必ず使えるという性質のものではありません。
首都圏の住まいへの影響
東京・埼玉・神奈川・千葉では、自宅や賃貸物件などの不動産が相続財産の中心になることが少なくありません。「誰にどの不動産を渡すか」をはっきりさせるために公正証書遺言を選ぶ方にとって、公証役場へ出向く回数を減らせる可能性があるのは実務上の負担軽減につながります。とくに、ご本人が高齢で外出が難しい場合や、ご家族が県外・遠方に住んでいて日程を合わせにくい場合には、ウェブ会議という選択肢があること自体が意味を持ちます。都県をまたいで住まいと実家が離れているケースも首都圏では多く、移動の調整がしやすくなる点は検討材料になります。なお、これは手続きの進め方が変わったという話であり、遺言の内容そのものや不動産の分け方の考え方が変わったわけではありません。
いつ・何を確認すればいいか
- 公正証書の電子データ化は2025年12月13日から始まっています。すでに開始済みの制度である点をふまえて検討してください。
- ウェブ会議を希望する場合は、自分のケースで利用できるかを、依頼する予定の公証役場に事前に相談してください(公証人が相当と認めた場合に進められる仕組みです)。
- 正本・謄本を電子データで受け取るか、従来どおりの形で受け取るかを、ご家族の保管方法もあわせて決めておいてください。
- 手続きの詳細や最新の運用は、法務省「公正証書の作成に係る一連の手続のデジタル化について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00064.html)でご確認ください。遺言の内容や登記に関わる判断は司法書士・弁護士へ、相続税に関わることは税理士へご相談ください。
よくある質問
Q. もう公証役場に行かなくても遺言を作れるのですか。 A. インターネットで嘱託の申し込みができ、嘱託人からの申出を公証人が相当と認めた場合にはウェブ会議で手続きを進められます。ただし、必ずウェブ会議で完結すると決まっているわけではないため、ご自身のケースについては公証役場にご確認ください。
Q. 紙の公正証書はもう受け取れないのですか。 A. 2025年12月13日からは公正証書が原則として電子データで作成されることになり、正本・謄本を電子データで受け取ることも選べます。どの受け取り方が可能かは、依頼する公証役場にご確認ください。
Q. 遺言以外の公正証書も対象ですか。 A. 今回のデジタル化は公正証書の作成に係る一連の手続きが対象で、遺言を含む公正証書が該当します。個別の書類が対象になるかどうかは、一次ソースである法務省のページや公証役場でご確認ください。