相続税を一度に払えないときは「延納」で年払いにできます

相続税は原則として現金で一度に納めますが、まとまったお金をすぐに用意できないこともあります。そうした場合に、税金を何年かに分けて年払いにする「延納(えんのう)」という制度があります。相続した財産のうち不動産等の割合が75%以上であれば、不動産等に対応する税額は最長20年まで延ばせます。相続財産の多くが自宅や土地で、手元の現金が少ないという方に関係する話です。

何が変わったのか

延納は、相続税を金銭で一度に納めることが難しい場合に、年払いでの分割を申請できる制度です。使うためには三つの要件があります。ひとつめは、相続税額が10万円を超えていること。ふたつめは、延納する税額と利子税に相当する担保を差し出すこと。みっつめは、納期限までに延納申請書を提出することです。そのうえで、相続した財産のうち不動産等の割合が75%以上であれば、不動産等に対応する税額について最長20年の分割が認められます。なお、延納している間は利子税がかかります。分割できるぶん、支払う総額は一度に納める場合より増えることになります。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉で家や土地を相続したとき、財産の中身が不動産に偏り、現金がほとんど残らないということは起こり得ます。その状態で相続税を一度に現金で納めようとすると、急いで売るしかないという判断になりがちです。延納は、そうしたときに年払いという選択肢を用意しておく制度だと考えてください。ただし使うには担保が必要で、かつ納期限までの申請が条件です。相続財産のうち不動産等の割合が75%以上かどうかで、延ばせる期間が変わる点もあわせて押さえておきたいところです。

いつ・何を確認すればいいか

  • 相続税額が10万円を超えるかどうかを、まず税理士に確認する
  • 相続した財産のうち、不動産等の割合が75%以上かどうかを整理する
  • 延納する税額と利子税に相当する担保として、何を差し出せるかを検討する
  • 申請の期限は「納期限まで」です。最新の手続きや必要書類、利子税の扱いは、一次ソース(国税庁 No.4211 相続税の延納)や税理士にご確認ください

よくある質問

Q. 相続税が払えないとき、必ず延納が使えますか。 A. 必ず使えるわけではありません。金銭で一度に納めることが困難であることに加えて、相続税額が10万円を超えること、延納税額と利子税に相当する担保を提供すること、納期限までに延納申請書を提出することという要件があります。ご自身が要件を満たすかどうかは税理士にご確認ください。

Q. 何年まで分割できますか。 A. 相続財産のうち不動産等の割合が75%以上の場合、不動産等に対応する税額については最長20年まで延ばせます。期間は財産の中身によって変わりますので、具体的な年数は一次ソースや税理士にご確認ください。

Q. 分割にすると、支払う金額は同じですか。 A. 同じではありません。延納の期間中は利子税がかかります。分割できる代わりに負担は増えますので、不動産を売って納めるほうがよいのか、延納にするのかは、税理士に相談したうえで判断することをおすすめします。