親の家を人に貸していると、その土地は「貸家建付地」として自用地の価額から減額できます

相続した土地に賃貸中の家が建っている場合、その土地は自分で使っている土地(自用地)とは別の方法で評価されます。空き家のまま持っている場合と、人に貸している場合とで、相続税を計算するときの土地の評価額が変わってくる、という話です。親名義の家を賃貸に出している方、これから実家をどうするか考えている方に関係します。

何が変わったのか

国税庁が示している評価のルールでは、貸家が建っている土地を「貸家建付地」と呼びます。この土地の評価額は、次の計算式で求めます。

自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合

つまり、まず「自分で使っているとしたらいくらか」を出したうえで、貸していることによる分を差し引く形になっています。差し引く金額を決めるのが、借地権割合・借家権割合・賃貸割合の3つです。このうち借地権割合と借家権割合は、国税庁の「財産評価基準書」で確認します。賃貸割合は、課税時期に実際に賃貸されている各独立部分の床面積が、全体に占める割合で計算します。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉では、親が住んでいた家をそのまま賃貸に回しているケースや、アパート・賃貸併用住宅を所有しているケースが少なくありません。こうした土地は、相続のときに自用地としてそのまま評価するのではなく、貸家建付地として評価できる可能性があります。

実務で効いてくるのが「賃貸割合」です。アパートのように複数の部屋がある建物では、課税時期に空室になっている部分の床面積の扱いによって、差し引ける金額が変わります。賃貸借契約の状況や入居の実態を、書類で示せるように整理しておくことが大切になります。

なお、借地権割合は地域ごとに定められているため、同じ首都圏でも場所によって数値が違います。ご自身の土地がどうなっているかは、必ず財産評価基準書で該当する地域を確認してください。

いつ・何を確認すればいいか

  • 国税庁の財産評価基準書で、その土地の借地権割合と借家権割合を確認する(地域によって異なります)
  • 賃貸借契約書と入居状況の資料をそろえる。誰に、どの部分を、いつから貸しているかがわかるものが必要です
  • 建物内に複数の独立した部分がある場合は、各部分の床面積を確認する。賃貸割合の計算に使います
  • 具体的な評価額や申告の判断は税理士に相談する。名義変更など登記に関することは司法書士・弁護士が窓口です。最新の取り扱いは、一次ソース(国税庁 No.4614)もあわせてご確認ください

よくある質問

Q1. 空き家のまま持っている土地でも、貸家建付地になりますか。 A. 貸家建付地は、その土地に貸家が建っている場合の評価方法です。実際に賃貸されているかどうかは「賃貸割合」として計算に反映されます。個別の状況でどう扱われるかは、資料をもとに税理士にご確認ください。

Q2. 借地権割合や借家権割合は、自分で調べられますか。 A. はい。国税庁の財産評価基準書で確認します。土地の所在地ごとに定められているため、ご自身の土地が該当する地域を見る必要があります。

Q3. アパートに空室があると、評価にどう影響しますか。 A. 賃貸割合は、課税時期に賃貸されている各独立部分の床面積の割合で計算します。したがって、賃貸されている部分の床面積がどれだけあるかが計算に関わってきます。具体的な判定は、入居状況の資料をそろえたうえで税理士にご相談ください。


※この記事は国税庁「No.4614 貸家建付地の評価」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4614.htm )をもとに、一般の方向けにわかりやすく整理したものです。個別の税額や申告の可否については、最新の情報を一次ソースでご確認のうえ、税理士など専門家にご相談ください。