未成年の子と親が同時に相続人になるときは、家庭裁判所に「特別代理人」を選んでもらう必要があります
お父さまが亡くなり、お母さまと未成年のお子さまが一緒に相続人になったケースの話です。この場合、お母さまがお子さまの代わりにサインをして遺産分割協議をまとめることはできません。実家の名義を変えようとして書類を用意し始めてから気づくと、手続きが止まってしまいます。
何が変わったのか
親権者であるお母さまと、お子さまは、どちらも同じ遺産を分け合う立場です。つまり、お母さまがたくさん受け取ればお子さまの分は減り、逆もまた同じです。このように親と子の利益がぶつかる関係を「利益相反」といい、親が子の代理人になることが認められません。そこで、お子さまの側に立って協議に加わる人を、家庭裁判所に選んでもらいます。これが「特別代理人の選任」です。裁判所の案内では、まさに「親権者とその子との利益相反の場合」として説明されています。
首都圏の住まいへの影響
東京・埼玉・神奈川・千葉で実家を相続する場合、名義変更(相続登記)の前に遺産分割協議書が必要になる場面が多くあります。その協議書にお子さまの分の署名押印が求められるため、特別代理人が決まっていないと先に進めません。申立ての窓口は、お子さまの住所地を管轄する家庭裁判所です。首都圏は家庭裁判所の支部が複数あり、住んでいる場所によって申立先が変わるため、どこに出すのかを最初に確かめておくと無駄がありません。売却や賃貸を予定している方は、この手続きに要する時間を全体のスケジュールに織り込んでおくと安心です。
いつ・何を確認すればいいか
- 相続人のなかに未成年のお子さまがいるかどうかを、まず確認する
- お子さまの住所地を管轄する家庭裁判所がどこかを調べる
- 費用の準備:お子さま1人につき収入印紙800円と、連絡用の郵便切手
- 必要書類や記入例、最新の取り扱いは一次ソース(裁判所ウェブサイト)で確認し、登記の進め方は司法書士や弁護士、税金のことは税理士にご相談ください
よくある質問
Q. 母が子の代理人として遺産分割協議書に署名すれば済みませんか。 A. できません。お母さまとお子さまはどちらも相続人で、取り分が互いに影響し合う関係(利益相反)にあるためです。お子さまのための特別代理人を、家庭裁判所に選んでもらう必要があります。
Q. どこの家庭裁判所に申し立てるのですか。 A. お子さまの住所地の家庭裁判所です。詳しい管轄は裁判所のウェブサイトでご確認ください。
Q. 未成年の子が2人いる場合、費用はどうなりますか。 A. 収入印紙はお子さま1人につき800円です。あわせて連絡用の郵便切手が必要になります。切手の種類や枚数は申立先によって案内が異なることがあるため、事前に確認されることをおすすめします。