都市計画道路の予定地にかかった宅地は、相続税の評価額を下げられます

実家や自宅の土地が都市計画道路の予定地にかかっている場合、相続税を計算するときの土地の評価額を引き下げることができます。「将来、道路になる予定の線が敷地を横切っている」と言われたことがある方は、ご自身に関係のある話です。相続税の申告期限は相続が始まってから10か月なので、早めに確認しておくと安心です。

何が変わったのか

これは新しくできた決まりではなく、国税庁の財産評価基本通達24-7にもとから定められている取り扱いです。この通達は、都市計画道路の予定地になっている部分がある宅地について、「予定地部分でないものとした場合の価額」に補正率をかけて評価すると定めています。つまり、まず道路予定地がなかったものとして普通に評価し、そこから一定の割合で引き下げる、という二段構えの計算になります。

その補正率は、ひとつの決まった数字ではありません。地区区分(その土地がどういう性格の地区にあるか)、容積率、そして地積割合(土地全体の面積に対して、予定地にかかっている部分が占める割合)という3つの組み合わせで決まります。予定地にかかる割合が同じでも、地区区分や容積率が違えば補正率は変わります。具体的にどの補正率が当てはまるかは、一次ソースの表と、お手元の土地の条件を照らし合わせて確認してください。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉には、計画が決まってから長い年月が経っているものの、まだ工事が始まっていない都市計画道路が各地にあります。土地の所有者からすると、ふだんの生活では何も起きていないので、予定地にかかっていること自体を忘れてしまいがちです。

しかし相続のときには、この取り扱いを使うかどうかで評価額が変わってきます。注意したいのは、かかっているかどうかは自治体の都市計画図を見ないと分からないという点です。登記簿や固定資産税の通知だけでは判断できません。また補正率は地区区分と容積率で変わるため、同じ市区内の土地でも結果は一律ではありません。

もうひとつ大切なのは、この取り扱いは自動で適用されるものではないことです。相続税の申告のなかで、土地の評価としてご自身(または依頼した税理士)が計算して出すものです。気づかなければ、補正のない評価額のまま申告することになります。

いつ・何を確認すればいいか

  • 相続税の申告期限は、相続が始まってから10か月です。土地の調べものには時間がかかるので、早めに動いてください
  • 土地のある市区町村の都市計画の窓口で、都市計画道路の予定地にかかっているかどうか、かかっているならどの範囲かを確認する
  • 補正率の判定に必要な地区区分・容積率・地積割合の3つをそろえる。地積割合は、土地全体の面積と予定地部分の面積が分からないと出せません
  • 計算と申告は税理士に相談する。登記の名義変更については司法書士・弁護士が窓口です。制度の細かい適用条件は変わることもあるため、最新の内容は一次ソース(国税庁 財産評価基本通達24-7)や専門家にご確認ください

よくある質問

Q. 道路の工事がいつ始まるか決まっていなくても、評価を下げられますか。 A. 財産評価基本通達24-7は、都市計画道路の予定地の区域内にある宅地について、補正率をかけて評価すると定めています。着工の時期そのものが条件として書かれているわけではありません。ただし、ご自身の土地が本当にその区域内にあたるかどうかは自治体での確認が必要です。判断に迷う場合は税理士にご相談ください。

Q. 敷地のほんの一部しかかかっていない場合も関係ありますか。 A. 補正率は地積割合、つまり土地全体のうち予定地部分が占める割合も見て決まります。かかっている割合が小さい場合と大きい場合では、当てはまる補正率が変わります。まずは全体の面積と、かかっている部分の面積を確かめてください。

Q. 補正率はどこを見れば分かりますか。 A. 国税庁の財産評価基本通達24-7(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/04.htm)に定められています。地区区分・容積率・地積割合の組み合わせで決まるため、この記事では個別の数値は挙げていません。お手元の土地の条件を一次ソースに当てはめて確認し、申告に使う数字は税理士と一緒に確定させてください。