土地と土地を交換したときは、一定の条件を満たせば「譲渡がなかったもの」として扱われます

土地や建物を、同じ種類の固定資産と交換したときに使える「固定資産の交換の特例」という制度があります。この特例が使えると、その交換は税金の計算上「譲渡がなかったもの」とされ、所得税が課されません。東京・埼玉・神奈川・千葉で土地をお持ちで、隣の土地の所有者と土地を交換する話が出ている方に関係する内容です。

何が変わったのか

これは新しくできた制度ではなく、国税庁が案内している既存の特例の内容です。土地や建物を同じ種類の固定資産と交換した場合、「固定資産の交換の特例」により譲渡がなかったものとされ、所得税が課されません。ただし無条件ではなく、次の4つが条件になります。(1) 自分が渡す資産を1年以上持っていること、(2) 相手から受け取る資産は、相手が1年以上持っていたもので、交換のために取得したものではないこと、(3) 交換する直前と同じ用途で使うこと、(4) お互いの時価の差額が、高い方の価格の20%以内であること。なお、差額を埋めるために受け取ったお金(交換差金)の部分は課税対象になり、確定申告が必要です。

首都圏の住まいへの影響

首都圏では、隣の土地と一部を交換して土地の形を整えたい、使っていない土地を別の場所の土地と交換したい、といった相談が起こりやすい場面があります。こうしたとき、「売って買い直す」のではなく「交換する」という形を取ると、条件を満たせば譲渡がなかったものとして扱われる可能性があります。一方で、つまずきやすいのは「交換する直前と同じ用途で使う」という条件と、「時価の差額が高い方の20%以内」という条件です。土地どうしの価格がぴったり同じになることは少ないため、差額をお金でやり取りする場合は、その部分が課税され確定申告が必要になる点も押さえておきたいところです。ご自身のケースが条件に当てはまるかどうかの判断は税額に直結しますので、一次ソースと税理士への確認をおすすめします。

いつ・何を確認すればいいか

  • 渡す予定の土地を1年以上持っているか、相手が渡す土地も相手が1年以上持っていたものか(交換のために取得したものではないか)を確認する
  • 交換したあと、交換の直前と同じ用途で使う予定になっているかを整理しておく
  • お互いの時価を把握し、差額が高い方の20%以内に収まるかを確認する。差額をお金で受け取る場合は、その部分が課税され確定申告が必要になることを前提に準備する
  • 適用の可否や申告の進め方は税務の判断になるため税理士へ、名義の書き換え(登記)は司法書士・弁護士へ相談する。最新の要件・期限は国税庁 No.3502(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3502.htm)でご確認ください

よくある質問

Q. 交換なら、税金はまったくかからないのですか。 A. 条件を満たして特例が使える場合は、譲渡がなかったものとされ所得税が課されません。ただし、差額として受け取ったお金(交換差金)の部分は課税され、確定申告が必要です。すべてが無税になるとは限らないとお考えください。

Q. 去年買ったばかりの土地でも使えますか。 A. この特例では、渡す資産を1年以上持っていることが条件です。また、相手から受け取る資産についても、相手が1年以上持っていたもので、交換のために取得したものではないことが求められます。所有して1年に満たない場合は条件を満たさないため、個別の判断は税理士にご確認ください。

Q. 交換したあと、使い方を変えてもいいのでしょうか。 A. 条件のひとつに「交換する直前と同じ用途で使うこと」があります。使い方を変える予定がある場合は特例の前提に関わりますので、交換の話を進める前に、一次ソースの内容と合わせて税理士にご相談ください。