土地を手放さずに貸す方法として、存続期間50年以上・更新なしの「定期借地権」という選び方があります

相続した実家の土地を「売ってしまうのは惜しいが、自分で使う予定もない」という方は少なくありません。借地借家法第22条の定期借地権は、土地の所有権は自分に残したまま、長い期間だけ他の人に貸すという選び方です。将来この土地をどうするかを決めかねている方に関係する制度です。

何が変わったのか

定期借地権は、借地権を設定するときに存続期間を50年以上と決める場合に使える仕組みです。この形をとると、契約の更新がなく、建物を建て直しても期間が延びることはありません。さらに、期間が終わるときに借りた人が建物を買い取るよう求めること(建物買取請求)もしない、と定めることができます。

この三つの取り決め(更新をしない・建物を建てても期間を延ばさない・建物買取請求をしない)は、特約として書面で行う必要があります。公正証書による方法が条文に例として挙げられており、また、内容を記録した電磁的記録による場合も、書面によるものとみなされます。口約束や、あとからの言った言わないでは成り立たない点が、この制度の特徴です。

首都圏の住まいへの影響

東京・埼玉・神奈川・千葉で実家を引き継いだ方にとって、選べる道は「売る」「自分で使う」だけではありません。定期借地権は、土地を手放さずに活用する選択肢の一つとして位置づけられます。存続期間が50年以上という長さなので、いま決めた条件が次の世代にまたがって続くことになります。

そのため、誰が当事者になるのか、期間が終わったときに土地がどう戻ってくるのかを、家族と共有しておくことが実務上は大切です。共有名義の実家であれば、他の共有者の意向も関わります。なお、この制度を使えるかどうか、どの条件が適するかは個々の土地や建物の事情によって変わるため、具体的な判断は専門家にご相談ください。

いつ・何を確認すればいいか

よくある質問

Q. 定期借地権にすると、期間が終わったあとに契約が自動で続くことはありますか。 A. 存続期間を50年以上として設定し、更新をしない旨の特約を定めた場合、契約の更新はありません。建物を建て直したことを理由に期間が延びることもありません。個別の契約でどう定められているかは、書面の内容をご確認ください。

Q. 期間が終わったとき、建物を買い取るよう求められることはありますか。 A. 建物買取請求をしない旨も、あわせて特約として定めることができます。定めがあるかどうかは契約書面によりますので、実際の書面をご確認のうえ、判断に迷う場合は専門家にご相談ください。

Q. 特約は口頭の合意でも有効ですか。 A. この特約は、公正証書による等、書面で行う必要があるとされています。内容を記録した電磁的記録による場合も、書面によるものとみなされます。具体的にどの形式を選ぶべきかは、一次ソースの条文を確認したうえで専門家にご相談ください。