この記事でわかること
- 住みながら家を売る方法と、空き家にしてから売る場合との違い(メリット・デメリット)
- 内覧で好印象を与えるための具体的な準備チェックリストと、当日の立ち会いのコツ
- 売却代金で次の家を買う「住み替え」の資金計画の基本的な考え方
- 居住用財産の3,000万円特別控除など、マイホームを売る人が使える税の特例の概要
- 「何から始めればいいか」がわかる売却の全体の流れと、次の一歩
結論を先にお伝えします。 住みながら家を売ることは十分に可能で、多くの方が実際にそうしています。大切なのは、内覧の準備を整えて好印象を与えること、そして「今いくらで売れるか」を査定で把握してから動き出すことです。
先月、ご相談者様から「まだこの家に住んでいるのに、本当に売れるんでしょうか。引っ越し先も決まっていないのに、家を空っぽにしてからでないとダメなのでは……」というご相談を受けました。お話を伺うと、住みながら売る方法をご存じなく、不安だけが先行している状態でした。結論からお伝えすると、住みながらの売却はごく一般的な方法です。この記事では、はじめて家を売る方が安心して一歩を踏み出せるよう、業界24年の不動産コンサルタントの立場から、できるだけやさしく丁寧にお伝えします。
住みながら家を売る方法とは?空き家にしてから売る場合との違い
「家を売る」と聞くと、引っ越して空っぽにしてから売り出すイメージを持つ方が多いですが、実際には今の家に住んだまま売り出すことができます。これを「居住中売却」などと呼びます。
住みながら売る場合と、先に引っ越して空き家にしてから売る場合には、それぞれ長所と短所があります。ご自身の事情に合うのはどちらか、下の表で見比べてみてください。
| 比較項目 | 住みながら売る | 空き家にしてから売る |
|---|---|---|
| 二重の住居費 | かからない(今の家に住み続ける) | 引っ越し先の家賃・ローンと並行して発生しやすい |
| 内覧の準備 | 毎回片付け・掃除が必要 | きれいな状態を保ちやすい |
| 生活感 | 家具があり広さや暮らしがイメージしやすい | 部屋が広く見える/空間が伝わりやすい |
| 内覧の日程調整 | 在宅の都合に合わせる必要がある | いつでも案内しやすい |
| 売却資金 | 売れてから次の家の頭金に充てやすい | 先に資金が必要になる場合がある |
住みながら売るメリット
最大のメリットは、二重の住居費を避けられることです。先に引っ越すと、新居の家賃やローンと、売れるまでの今の家の維持費が同時にかかります。売却がいつ成立するかは確実には読めないため、住みながら売れば資金面の負担を抑えられます。また、家具がある状態は、購入を検討する方が「ここにソファを置いて、ここで食事をして……」と暮らしを具体的に想像しやすいという利点もあります。
住みながら売るデメリットと対策
一方で、内覧のたびに片付けと掃除が必要になり、生活感が出やすい点はデメリットです。ただし、これは後述する準備のコツで十分カバーできます。「生活しながらでも、きちんと売れる」——この点はどうぞご安心ください。
内覧で好印象を与える準備のコツは?
内覧は、購入を検討する方が「この家に住みたい」と感じるかどうかが決まる大切な場面です。住みながらの売却では、ここが成否を大きく左右します。難しいことは必要ありません。ポイントは「整理整頓・清掃・明るさ・におい」の4つです。
内覧前チェックリスト
- 整理整頓:玄関の靴をしまう/床にものを置かない/生活用品は箱にまとめて押し入れへ。床が見える面積が広いほど部屋は広く感じられます
- 清掃:水まわり(キッチン・浴室・洗面・トイレ)を重点的に。水まわりの清潔感は印象に直結します
- 明るさ:内覧前にすべてのカーテンを開け、照明を点灯。昼間でも電気をつけると明るく見えます
- におい対策:内覧の30分ほど前に窓を開けて換気。生ゴミ・ペット・タバコ・調理のにおいに注意。強すぎる芳香剤は逆効果になることもあるため控えめに
- 温度:夏は涼しく、冬は暖かく。快適な室温は滞在時間と好印象につながります
特別なリフォームをする必要はありません。「清潔で・明るく・ものが少ない」状態を整えるだけで、印象は大きく変わります。
内覧の立ち会いで売主が気をつけたいポイントは?
住みながら売る場合、内覧には売主が立ち会うことが多くなります。このとき、売主の対応も購入検討者の印象を左右します。
Q: 内覧のとき、売主はどう振る舞えばいいですか?
A: 基本は笑顔で迎え、聞かれたことに正直に答えることです。長所をアピールしすぎたり、後ろをついて回ったりすると、検討者が落ち着いて見られません。案内や説明は仲介する不動産会社に任せ、売主は質問されたときに答える程度がちょうどよい距離感です。
立ち会い時の具体的な注意点は次のとおりです。
- 雨漏りやご近所の事情など、マイナス情報も隠さず正直に伝える(後のトラブル防止になります)
- 「ここでの暮らしはこんなところが良かった」と、住んでいた人だからこそ語れる魅力を一言添える
- 価格交渉の話はその場で即答せず、いったん持ち帰って不動産会社と相談する
- 小さなお子様やペットがいる場合は、内覧中は別室にするなど落ち着いた環境をつくる
ここまでの準備や進め方に少しでも不安があれば、はじめから専門家に伴走してもらうのが安心です。ROCKEDGEでは、まず無料査定で「今いくらで売れそうか」をお伝えしたうえで、内覧準備のアドバイスから売却、必要に応じた税理士・司法書士との連携まで、中立的な立場でワンストップでお手伝いしています。「何から始めればいいか」の段階からお気軽にご相談ください。
住み替えの資金計画はどう立てる?
今の家を売って次の家を買う「住み替え」では、お金の流れの順番を整理しておくことが大切です。
まずは「手取り」を把握する
売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。次の式で、おおよその手取りを把握します。
手取りの目安 = 売却価格 −(住宅ローン残債 + 売却にかかる費用 + 税金)
売却にかかる費用には、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消の費用などが含まれます。仲介手数料の上限は、売却価格が400万円を超える場合「売却価格×3%+6万円+消費税」が一つの目安です(宅地建物取引業法に基づく上限・2026年5月現在)。
売り先行と買い先行
| 進め方 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 売り先行 | 今の家を売ってから次の家を買う | 資金計画を確実にしたい人。住みながら売る方に多い |
| 買い先行 | 次の家を買ってから今の家を売る | 気に入った物件を逃したくない人。資金に余裕がある人 |
はじめて売る方には、手元資金が確定する売り先行が比較的安心です。住みながら売れば、売却が決まってから引っ越し先を本格的に探せるため、二重ローンのリスクも避けやすくなります。
簡単なシミュレーション例(あくまで一例)
たとえば、3,000万円で売却、ローン残債1,500万円、諸費用・税金で約150万円かかった場合の手取りは、おおよそ「3,000−1,500−150=1,350万円」となります。この1,350万円を次の家の頭金や引っ越し費用に充てる、という計画が立てられます。数字はあくまで一例で、実際は物件や個別の事情によって変わります。
住みながら家を売る人が使える税の特例は?
マイホーム(居住用財産)を売ったときには、税負担を軽くする特例があります。代表的なものを概要だけご紹介します。
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間の長さに関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です(国税庁 タックスアンサー No.3302・2026年5月現在)。住みながら売る場合も対象になり得ますが、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るなど、一定の要件があります。
10年超所有の軽減税率の特例
所有期間が10年を超えるマイホームを売った場合、3,000万円特別控除を適用したうえで、さらに残った部分に低い税率を適用できる特例もあります(国税庁 タックスアンサー No.3305)。
これらの特例には細かな適用要件があり、併用できないものもあります。利益が出るかどうか、特例が使えるかどうかは、購入時の価格や所有期間など個別の事情で大きく変わります。ご自身のケースで使えるかは、必ず税務署や税理士などの専門家に確認してください。
売却の全体の流れと次の一歩
最後に、住みながら売る場合の大まかな流れを整理します。
- 査定で現状把握(今いくらで売れそうかを知る)
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売り出し(内覧の準備をしながら)
- 内覧対応・価格交渉
- 売買契約・引き渡し(引っ越し先の準備と並行)
すべての出発点は、「今いくらで売れるか」を査定で知ることです。売れる金額がわかってはじめて、手取りも、次の家の予算も、引っ越しの時期も計画できます。逆に言えば、ここがわからないまま動くと不安だけが大きくなってしまいます。
なお、ここで挙げた費用・税金・特例の内容は、個別の事情により異なります。詳細はご自身のケースに合わせて、税務署・税理士・司法書士などの専門家へご相談ください。まずは焦らず、現状把握の一歩から始めていきましょう。
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