この記事でわかること
- 「仲介」と「買取」の仕組みの違いと、それぞれが向いている人
- 買取価格が市場相場の7〜9割になりやすい理由と、その代わりに得られるメリット
- 仲介手数料がかかる場合・かからない場合の考え方
- 相続・住み替え・離婚など「期限がある売却」での選び方
- まず最初にやるべき「今いくらで売れるか」を知る一歩
不動産の仲介と買取は、「高く売れる可能性の仲介」か「早く確実に売れる買取」かの選択です。時間に余裕があるなら仲介、期限があるなら買取が向く、というのが基本の考え方です(2026年5月現在)。
先月、ご相談者様から「親の家を相続したが、遠方に住んでいて管理もできず、半年以内に現金化したい」というご相談を受けました。当初は「少しでも高く」と仲介を希望されていましたが、固定資産税や管理の手間、売れるまでの不安を整理した結果、最終的には買取を選ばれました。大切なのは、ご自身の事情に「どちらが合うか」を冷静に見極めることです。業界に24年携わってきた立場から、判断のものさしを丁寧にお伝えします。
「仲介」と「買取」は何が違う?仕組みの基本
不動産を売る方法は、大きく2つに分かれます。
仲介とは、不動産会社が「売主と買主の間に立って、買ってくれる人を探す」方法です。広告を出し、内覧を重ね、買主が見つかったら契約に進みます。買うのはあくまで一般の個人や企業で、不動産会社は仲介役(橋渡し役)です。
買取とは、不動産会社そのものが買主となり、直接あなたの不動産を購入する方法です。買主を探す必要がないため、話がまとまれば短期間で現金化できます。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買う人 | 一般の個人・法人 | 不動産会社 |
| 売却価格の目安 | 市場相場に近い(高めを狙える) | 市場相場の7〜9割が一般的 |
| 売れるまでの期間 | 数週間〜数か月(買主次第) | 数日〜数週間と早い |
| 確実性 | 買主が現れるまで不確実 | 会社が買うため確実性が高い |
| 内覧対応 | 必要(何度も発生しうる) | 原則不要 |
| 周囲に知られにくさ | 広告するため知られやすい | 知られずに売りやすい |
「どちらが正解」というものはありません。何を優先したいかで答えが変わります。
買取価格が「相場の7〜9割」になりやすいのはなぜ?
買取では、不動産会社があなたから買い取った後、リフォームや清掃をして再販売します。その際の修繕費・広告費・人件費、そして再販までに売れ残るリスクを会社が負担します。これらのコストとリスクを差し引くため、買取価格は市場相場より低めになりやすいのです。一般的には市場相場の7〜9割が目安とされますが、物件の状態や立地によって幅があります(2026年5月現在)。
ただし、これは「損」とは限りません。買取には次のメリットがあります。
- 早く・確実に現金化できる(買主探しが不要)
- 内覧の手間がない(プライバシーが守られる)
- 契約不適合責任を免除・軽減できる場合がある(売却後に欠陥が見つかっても責任を問われにくい)
「価格の差」と「時間・手間・安心の差」を天秤にかけて判断することが大切です。
仲介手数料はどうなる?「かからない」ケースの考え方
仲介で売却が成立すると、不動産会社に仲介手数料を支払います。法律(宅地建物取引業法に基づく国土交通省告示)で上限が定められており、売買価格が400万円を超える場合は、
売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
が上限です。たとえば2,000万円で売れた場合、上限は2,000万円×3%+6万円=66万円、消費税込みで約72.6万円となります。
一方、買取では不動産会社自身が買主になるため、仲介手数料がかからないケースがあります。「手数料が浮くなら買取が得」と思いがちですが、注意が必要です。買取価格はもともと相場より低めに設定されているため、手数料がかからない分は、すでに価格に織り込まれていると考えるのが現実的です。手数料の有無だけでなく、「最終的に手元にいくら残るか」で比べましょう。
「期限がある売却」では買取が向く場面とは
時間に制約がある売却では、買取が力を発揮します。代表的な3つの場面を挙げます。
- 相続:相続税の申告・納付期限は、相続開始(亡くなった日)を知った日の翌日から10か月以内です。納税資金を準備するため、確実に現金化したい場合に買取が向きます。また2024年4月1日からは相続登記の申請が義務化されており、放置にも注意が必要です。
- 住み替え:新居の購入や引き渡し日が決まっている場合、「いつ売れるか分からない」仲介より、期日が読める買取のほうが資金計画を立てやすいことがあります。
- 離婚:財産分与の話し合いを早く終えたい、関係を清算したいという場合、スピードと確実性のある買取が選ばれやすい傾向があります。
逆に、急がず・少しでも高く売りたいなら、まずは仲介で市場に出すのが基本です。多くの不動産会社では、仲介で一定期間売れなければ買取に切り替える「買取保証」を用意している場合もあります。
まず最初にやるべきは「今いくらで売れるか」を知ること
仲介か買取かを迷う前に、現状の価格を知ることが第一歩です。査定で「市場ならいくら」「買取ならいくら」の両方を把握すれば、価格差と時間のバランスを自分で判断できます。費用や税金の見通しも立ち、「手元にいくら残るか」が見えてきます。
ROCKEDGEでは、無料査定から売却の進め方の整理、必要に応じて税理士・司法書士との連携まで、中立的な立場でワンストップでお手伝いしています。「どちらが得か分からない」段階のご相談だけでも構いません。売り急がせることはせず、まずは現状把握からご一緒します。
なお、本記事は一般的な考え方を整理したものです。税額や手数料、最適な売却方法は物件や個別の事情により異なるため、詳細は税理士・司法書士などの専門家へご相談ください。
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