この記事でわかること
- 足立区の不動産査定を無料で受ける方法と、費用が発生する例外的なケース
- 査定額がどう決まるか(取引事例比較法・路線価・公示地価)と、自分で概算を調べる手順
- 机上(AI)査定・一括査定と訪問査定の違いと、足立区での使い分け方
- 築40年超の一戸建てや、相続した空き家がどう評価されるか
- 査定書のどこを読むべきか、揃えておく書類、査定後に売却へ進むときの流れ
足立区の不動産査定は、不動産会社に依頼する場合は費用0円が基本で、費用がかかるのは不動産鑑定士による鑑定評価を頼むときの20万円〜40万円程度(2026年現在・規模や用途により変動)に限られます。つまり「いくらで売れるか知りたいだけ」の段階で、お金を払う必要はほとんどありません。
先月、足立区のご相談者様からROCKEDGE住まい相談室に寄せられたのは、「亡くなった父が住んでいた築45年の木造一戸建てを相続したが、一括査定サイトに登録したところ、ある会社は2,000万円台後半、別の会社は1,000万円台前半と、倍近い開きが出た。どちらが本当なのか」というご相談でした。査定書を1枚ずつ拝見すると、高い額を出した会社は「更地にして売る前提」で土地の価格だけを示し、解体費用を差し引いていませんでした。低い額の会社は解体費と、前面道路が幅員4m未満でセットバック(建て替え時に道路中心線から2m後退させること)が必要な点を織り込んでいました。どちらも嘘ではなく、前提が違っただけです。足立区で損をしないために必要なのは、金額そのものよりその数字がどんな前提で作られているかを読む力です。
足立区の不動産査定は無料?費用がかかるのはどんなとき?
不動産会社が行う査定は無料です。これは会社が親切だからではなく、査定が「売却の依頼(媒介契約)を受けるための営業活動」に位置づけられているためです。査定を受けたからといって、その会社に売却を任せる義務は生じません。
費用が発生するのは、次のように公的な根拠を持つ評価書が必要な場面です。
| 目的 | 依頼先 | 費用の目安(2026年現在) |
|---|---|---|
| 売却価格を知りたい・売却を検討中 | 不動産会社の査定 | 0円 |
| 相続税申告・遺産分割協議でもめている | 不動産鑑定士の鑑定評価 | 20万円〜40万円程度 |
| 離婚の財産分与・裁判の証拠として提出 | 不動産鑑定士の鑑定評価 | 20万円〜40万円程度 |
足立区は相続にともなう不動産査定のご相談が特に多いエリアです。相続人同士で金額の合意が取れているなら不動産会社の無料査定で足りますが、意見が割れている場合は、費用をかけてでも第三者性のある鑑定評価を取ったほうが結果的に早く収まることがあります。どちらが適しているかは事情によって変わるため、判断に迷う場合は税理士や弁護士にもあわせてご確認ください。
なお、不動産会社が査定額の意見を述べるときは、宅地建物取引業法第34条の2第2項により、その根拠を明らかにする義務があります。「なぜこの金額なのか」を尋ねるのは遠慮すべきことではなく、法律が前提としているやり取りです。
足立区の査定額はどうやって決まる?
マンション査定は「取引事例比較法」が主軸
マンション査定でほぼ必ず使われるのが取引事例比較法です。同じエリア・似た条件で実際に成約した事例の㎡単価を集め、対象住戸との差(階数・向き・角部屋か・専有面積・築年数・リフォームの有無・駅距離)を加減点して単価を出し、専有面積を掛け戻す方法です。
足立区でこの補正が特に効くのは、鉄道路線による差です。つくばエクスプレス・日暮里舎人ライナー・東京メトロ千代田線・東武スカイツリーラインなど複数の路線が走り、同じ区内でも都心へのアクセス時間が大きく異なります。徒歩圏かバス便かでも単価は変わるため、「足立区の平均」ではなく駅ごと・路線ごとの事例で比較されているかを確認してください。
一戸建て・土地は「土地+建物」の積み上げ
一戸建て査定と土地査定では、土地に公示地価・路線価・実勢価格を、建物に残存価値を当てて積み上げます。木造住宅は税務上の耐用年数が22年で、これを超えると建物価格をほぼ見込まない査定になることが多くなります。足立区は築40年を超える住宅の割合が高く、実務上は「古家付き土地」として土地値で評価され、そこから解体費(木造2階建て30坪程度で150万円〜250万円程度・2026年現在、構造や搬出経路により変動)を差し引く形になりがちです。
さらに減額要因となりやすいのが次の点です。
- 接道:前面道路の幅員が4m未満の場合、建築基準法第42条2項の道路としてセットバックが必要となり、有効宅地面積が減ります
- 再建築不可:道路に2m以上接していない敷地は建て替えができず、評価は大きく下がります
- 境界未確定・越境:ブロック塀や庇の越境は、確定測量と覚書で解消してから売るかどうかで金額が変わります
本記事では足立区の平均地価の具体的な金額は示しません。区の平均値は、北千住周辺の商業地から住宅地、荒川・中川沿いの低地までを1つに均した数字になり、個別の土地の判断材料としてはかえって誤解を生むためです。ご自身で調べる場合は次の公的データを使ってください。
- 国税庁 路線価図:前面道路ごとの単価が分かります。路線価は公示地価のおおむね80%の水準に設定されているため、路線価÷0.8で実勢に近い水準の見当がつきます
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ:2024年4月1日に運用が開始された無料サービスで、実際の取引価格・地価公示・都市計画・ハザード情報を地図上で重ねて確認できます
- レインズ・マーケットインフォメーション:成約ベースの価格情報を無料で確認できます
足立区は荒川・中川・綾瀬川に囲まれた低地が広がるため、洪水ハザードマップ上の浸水想定は買主が必ず確認する項目です。査定の段階で「ハザード情報をどう織り込んでいるか」を聞いておくと、売り出し後の値下げ交渉を減らせます。
机上(AI)査定・一括査定と訪問査定はどう使い分ける?
| 机上(AI)査定 | 訪問査定 | |
|---|---|---|
| 所要時間 | 数分〜翌営業日 | 現地60分程度+報告に数日 |
| 見るもの | 住所・面積・築年・階数などのデータ | 上記+建物の状態・接道・境界・越境・残置物 |
| 精度 | 幅のある概算 | 売り出し価格を決められる水準 |
| 向いている場面 | 相続税の見当をつける/売るか迷う段階 | 売却時期が3〜6か月以内に見えている |
足立区の場合、机上査定だけで判断するのは危険度が高めです。セットバック・再建築不可・越境・残置物といった減額要因は現地を見ないと分からず、データだけの机上査定は「同じ広さの整形地」として計算してしまうためです。冒頭のご相談で倍近い開きが出たのも、この差でした。
一括査定サイトは複数社の見立てを短時間で並べられる利点がある一方、登録直後に多数の会社から一斉に連絡が入ること、そして媒介契約を取りたい会社が意図的に高い査定額を出す「高値査定」が起こりうることに注意が必要です。高値で売り出して反響がなく、数か月後に値下げを繰り返すと、掲載期間の長い物件として買主に敬遠されます。目安として3社程度に絞り、最高額と最安値を出した会社にはその根拠を尋ねてください。ROCKEDGE住まい相談室では、他社の査定書をお持ちいただいての読み合わせだけのご相談も承っています。
査定書の見方と、査定額が売却価格にならない理由
査定額は「この価格ならおおむね3か月以内に売れるだろう」という不動産会社の予測値であり、売却価格の約束ではありません。実際の売却価格は買主との交渉で決まり、成約価格が売り出し価格を数%下回ることは珍しくありません。
査定書を受け取ったら、次の箇所を確認してください。
- 採用事例の一覧:直近6か月以内の成約事例か。売り出し中の価格ではなく成約価格か
- 前提条件:現況渡しか、解体・更地渡しか。解体費と残置物処分費が差し引かれているか
- 補正の内訳:築年・接道・セットバック・ハザードなどの加減点が数字で書かれているか
- 想定売却期間:3か月なのか6か月なのかで、提示額の意味が変わります
- 手取り額の試算:仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税の見込みが差し引かれているか
相続した実家を売る場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」が使える可能性があります。適用対象は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡で、耐震基準への適合または家屋の取壊しなどの条件があります。築40年超の物件が多い足立区では該当しうるケースが多い一方、適用可否は個別事情で変わるため、税務署または税理士にご確認ください。
査定前に準備する書類と、足立区で査定額を下げないためのポイント
訪問査定の前に揃えておくと、精度が上がり、その後の手続きも早くなります。
- 登記識別情報(権利証)・登記事項証明書
- 購入時の売買契約書、重要事項説明書、パンフレット
- 土地の測量図・境界確認書(一戸建て・土地では影響が大きい)
- マンションの管理規約、長期修繕計画、修繕積立金・管理費が分かる書類
- 固定資産税納税通知書
- リフォーム・設備交換の履歴、耐震診断の結果(実施済みの場合)
足立区で特に効くのは、残置物の処分と、空き家の管理状態です。家財が残ったままだと床や基礎の状態が確認できず、査定は安全側(低め)に振れます。また空家等対策の推進に関する特別措置法は2023年の改正で「管理不全空家」の区分が新設され、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(課税標準6分の1)が解除されます。放置期間が延びるほど保有コストが上がる仕組みになっている点は、売却時期を決めるうえで押さえておきたいところです。
一方で、査定前の大規模リフォームは費用を売却価格に上乗せできないことが多く、ハウスクリーニングと不用品の処分にとどめるほうが費用対効果は安定します。足立区は工事費が都内平均よりやや抑えめの水準で見積もられる傾向があり、この点は「必要最小限の手入れをしてから売る」判断がしやすい環境ともいえます。
省エネ・防犯設備についてもよく質問をいただきます。東京都の太陽光発電の補助(1kWあたり12万円)や足立区の蓄電池・省エネ関連補助、高齢者・バリアフリー・耐震改修に対する住宅改修補助、個人向けの防犯カメラ設置助成は、いずれも設置・工事時の負担を軽減する制度であり、売却時の査定額にそのまま上乗せされるものではありません。要件と受付期間は年度ごとに変わるため、利用を検討する場合は足立区および東京都の最新の要項をご確認ください。
査定後に売却へ進むときの流れは?
査定額に納得できたら媒介契約を結びます。媒介契約とは、売主が不動産会社に売却の仲介を正式に依頼する契約のことで、3種類あります。
| 種類 | 他社への同時依頼 | 自分で買主を見つける | レインズ登録 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 | 定めなし |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 契約日から7日以内(休業日を除く) | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 契約日から5日以内(休業日を除く) | 1週間に1回以上 |
専任・専属専任の有効期間は3か月以内と定められており、更新には売主の申出が要ります(宅地建物取引業法第34条の2)。合わない会社に長く縛られる仕組みではないので、まず3か月試すという考え方ができます。
媒介契約後の流れは、①販売資料の作成(写真撮影・図面)→②レインズおよびポータルサイトへの掲載→③内覧対応→④購入申込・条件交渉→⑤売買契約→⑥決済・引渡し、が基本です。相続で足立区外にお住まいの相続人が複数いる場合や、遠方から現地に何度も足を運べない場合は、Matterportによる3Dスキャンで室内を丸ごと撮影しておくと、購入検討者がオンラインで歩き回るように内覧でき、相続人全員が同じ画面で建物の状態を共有できます。空き家の期間が長い物件ほど、現地内覧の前に状態を開示しておくほうが交渉はスムーズです。
人口約69万人を抱える足立区は、持ち家率が約44%(令和5年住宅・土地統計調査)で、23区のなかでも空き家率が高い水準にあります。相続登記は令和6年(2024年)4月1日から義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料の対象となります。売り急ぐ必要がない場合でも、まず無料の不動産査定で現在の水準と手取り額を把握しておくと、相続税の納付期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)に追われる前に選択肢を検討できます。
本記事は2026年8月現在の公開情報にもとづく一般的な解説です。個別の物件の評価、税制の適用可否、相続や登記の手続きについては、詳細は専門家へご相談ください。
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対応エリア: 東京・埼玉・神奈川・千葉(1都3県)