この記事でわかること
- 渋谷区の不動産査定を無料で受ける方法と、費用が発生する例外的なケース
- 公示地価・路線価・成約単価を使って、依頼前に自分で概算相場を出す手順
- 机上(AI)査定と訪問査定の違いと、渋谷区での使い分け方
- 築40〜50年超の旧耐震マンションや、賃貸中の投資用ワンルームがどう評価されるか
- 査定書のどこを読むべきか、一括査定サイトの注意点、揃えておく書類
渋谷区の不動産査定は依頼費用0円が基本で、査定額の目安は70㎡の中古マンションで約9,300万円〜1億4,000万円、土地30坪前後の一戸建てで約1億4,000万円〜2億2,000万円(2026年現在・公的データからの概算)です。金額の幅が大きいのは、渋谷区が松濤・広尾のような高級住宅地と、駅近の単身向けワンルームが同じ区内に併存しているためです。
先月、ROCKEDGE住まい相談室に渋谷区の幡ヶ谷エリアにお住まいの方から寄せられた相談は、「築46年のマンションを査定に出したら、A社は5,200万円、B社は7,800万円だった。同じ物件なのになぜここまで違うのか」という内容でした。旧耐震(1981年5月31日以前の建築確認)の物件で、管理組合が耐震診断を実施済みだったケースです。差額の主因は、耐震診断の結果と管理組合の修繕積立金の状況を評価に織り込んだかどうかでした。渋谷区では築古物件ほど、建物そのものより「管理の中身」で査定額が動きます。
渋谷区の不動産査定は無料?費用がかかるのはどんなとき?
Q: 渋谷区で不動産査定を受けるといくらかかりますか? A: 0円(無料)が基本です。
不動産会社が売却の依頼を受けることを目的に行う査定は、原則として無料で提供されます。査定を受けたからといって、その会社と契約する義務は発生しません。
費用が発生するのは、相続税の申告・遺産分割協議・離婚時の財産分与・裁判の証拠など、公的な根拠を持つ評価額が必要な場面で、不動産鑑定士による「鑑定評価」を依頼する場合です。鑑定評価書は20万円〜40万円程度(2026年現在・物件の規模や用途により変動)が一般的な水準です。売るかどうかをまだ決めていない段階で相場感をつかみたいだけであれば、無料査定で目的を果たせます。
媒介契約とは、不動産会社に売却の仲介を正式に依頼する契約のことです。査定はこの契約の前段階にあたり、査定を受けた時点では何の拘束も生まれません。
渋谷区の査定額はどうやって決まる?
査定額は担当者の感覚ではなく、公的な基準値と実際の成約事例を組み合わせて算出されます。渋谷区で使われる代表的な指標は次の3つです。
| 指標 | 数値 | 時点・出典 |
|---|---|---|
| 住宅地 公示地価(渋谷区平均) | 約187.4万円/㎡(坪約619万円・前年比+10.98%) | 国土交通省 令和8年地価公示 |
| 中古マンション 成約㎡単価(東京都区部) | 約133.37万円/㎡(前年比+12.9%) | 2026年2月度・東日本レインズ Market Watch |
| 路線価(相続税評価の基準) | 前面道路ごとに設定 | 国税庁 財産評価基準書 |
人口約24万人の渋谷区は、区部平均を大きく上回る地価水準にあります。上表の中古マンション成約㎡単価は東京都区部全体の平均値であり、渋谷区の実勢はこれを上回るのが通常です。したがって「133万円/㎡ × 専有面積」は下限側の目安として使い、上振れ幅は個別の立地で確認する、という読み方が実務に近くなります。
取引事例比較法とは
取引事例比較法とは、近隣で実際に成約した類似物件の価格を基準に、対象物件との違い(駅距離・築年数・階数・向き・面積)を加減点して価格を導く方法です。マンション査定ではこれが中心になります。
賃貸中の物件は「収益還元法」で見る
渋谷区は持ち家率が約36%、賃貸比率が約64%と都内でも賃貸割合が高く、単身世帯が多いエリアです。そのため査定相談の相当数が、賃貸中の投資用ワンルームです。収益還元法とは、その物件が生む年間賃料収入を利回りで割り戻して価格を求める方法で、賃借人が入居したまま売る「オーナーチェンジ」ではこちらが主軸になります。空室にしてから売る(実需向け)か、賃貸中のまま売る(投資家向け)かで査定の前提が変わるため、依頼時に必ず伝えてください。
築40〜50年超・旧耐震マンションの評価
渋谷区は築40〜50年を超えるマンションが多く、旧耐震物件の流通も活発です。旧耐震は買主の住宅ローン審査が慎重になる一方、渋谷区の駅徒歩圏では立地評価が築年のマイナスを上回ることがあります。査定で確認されるのは次の点です。
- 耐震診断の実施有無と結果、耐震改修の計画
- 修繕積立金の積立残高と長期修繕計画の有無
- 総会議事録に現れる管理組合の運営状況
- 駐車場の有無(渋谷区は駐車規制が厳しく、附置された駐車場は希少性として評価されます)
一戸建て・土地査定で見られるポイント
土地の概算は「住宅地公示地価(約187万円/㎡)× 土地面積」を起点に、間口・形状・前面道路幅で補正します。前面道路が4m未満の場合はセットバックが必要で、その分の面積は有効宅地から差し引かれます。旗竿地・不整形地は整形地より2〜3割低くなることがあります。
なお周辺環境も評価要素です。渋谷区は道玄坂周辺など繁華街に近い区域で自転車盗難や店舗被害の届出が相対的に多く、住宅地としては松濤・代官山・広尾など繁華街から距離のある区域が高く評価される傾向があります。
太陽光やリフォーム済みは加点される?
設備投資が査定額にそのまま上乗せされることは、実務上ほとんどありません。太陽光パネルには東京都の補助(1kWあたり12万円)があり、渋谷区にも省エネ設備の助成制度がありますが(年度ごとに要件が変わるため申請前に区の最新要項をご確認ください)、これは設置時の負担軽減であって売却時の評価とは別の話です。渋谷区の区独自のリフォーム補助は高齢者向けの住宅改修が中心で、こちらも同様です。売却目的の大規模リフォームは投じた費用を回収しきれないことが多く、現況引き渡しのほうが手取りが残るケースもあります。
机上(AI)査定と訪問査定はどう使い分ける?
| 机上(AI)査定 | 訪問査定 | |
|---|---|---|
| 所要時間 | 数分〜翌営業日 | 現地60分程度+報告まで3〜7日 |
| 精度 | 概算(実勢と1〜2割ずれることがある) | 個別条件を反映した実務価格 |
| 見るもの | 住所・面積・築年数などのデータ | 建物の劣化・日当たり・接道・境界・室内 |
| 向いている場面 | まだ売る決断をしていない段階 | 売却時期が具体的になった段階 |
**机上査定(AI査定)**は、登録された物件データと過去の成約事例だけから統計的に価格を推定する方法です。渋谷区のように同一エリア内で築年・グレード・眺望の差が大きい地域では、机上査定の数字をそのまま売出価格にするのは危険です。机上査定で当たりをつけ、売却を具体的に検討する段階で訪問査定に進む流れが無理がありません。
査定書の見方と、査定額が売却価格にならない理由
査定額とは「おおむね3ヶ月以内に成約が見込める価格の目安」であり、その金額での売却を保証するものではありません。最終的な売却価格は、市場の反応と買主との交渉で決まります。査定書を受け取ったら、金額の大小ではなく次の4点を確認してください。
- 採用された成約事例が示されているか(住所・面積・成約時期・成約価格)
- 加減点の根拠が書かれているか(駅距離◯分で+3%、築年数で−15%など)
- 想定売却期間が明記されているか
- 売却にかかる費用の内訳が示されているか(仲介手数料は「売却価格×3%+6万円+消費税」が法定上限。1億円なら336万6,000円)
一括査定サイトを使うときの注意点
複数社に査定を依頼する意義は、価格の妥当性を相対的に判断できる点にあります。一方で一括査定サイトには構造的な注意点があります。
- 登録直後に複数社から一斉に連絡が来る
- 媒介契約を取るために意図的に高い査定額を出す会社が混じることがある
- 渋谷区の個別事情(旧耐震の管理状況、賃貸中の収益評価)に不慣れな会社が含まれる場合がある
対策はシンプルで、最高額を出した会社と最低額を出した会社の両方に、その根拠を説明してもらうことです。高く売れる会社と、高い数字を出す会社は別物です。
査定を受ける前に準備しておく書類は?
| 区分 | 書類 |
|---|---|
| 共通 | 登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産税納税通知書、本人確認書類 |
| マンション | 管理規約、長期修繕計画書、直近の総会議事録、修繕積立金の残高がわかる書類、間取り図 |
| 一戸建て・土地 | 測量図、境界確認書、建築確認済証・検査済証、私道がある場合は持分の資料 |
| 賃貸中の物件 | 賃貸借契約書、レントロール(賃料一覧)、管理委託契約書 |
| 任意 | 購入時の売買契約書・重要事項説明書、リフォーム履歴、耐震診断報告書 |
渋谷区は人件費が都内トップクラスで、境界が未確定のまま売却を進めると引き渡し直前に測量が必要になり、50万円〜100万円程度(2026年現在・土地の形状と隣地の数により変動)の追加費用と1〜3ヶ月の期間が発生することがあります。査定の段階で境界標の有無を確認しておくと、後の想定外を減らせます。
査定後に売却へ進むときの流れは?
- 査定結果の比較(1〜2週間)— 金額ではなく根拠と担当者の説明を比べます
- 媒介契約の締結 — 専属専任・専任・一般の3種類から選びます
- 売出価格の決定と販売開始 — 査定額=売出価格ではありません
- 内覧対応 — 渋谷区は外国人居住者の比率が高く、海外在住の買主からの問い合わせも入ります。Matterportによる3Dバーチャル内覧を併用すると、時差のある相手でも24時間いつでも室内を確認でき、実際に足を運ぶ前の絞り込みが進みます
- 売買契約・決済・引き渡し — 査定開始から引き渡しまで、渋谷区では平均3〜6ヶ月が目安です
なお売主が日本の非居住者にあたる場合、買主に譲渡対価の10.21%を源泉徴収する義務が生じることがあります(所得税法212条1項ほか。譲渡対価が1億円以下で、買主が自己または親族の居住用に取得する場合は対象外)。渋谷区は海外在住のオーナーが所有する物件が一定数あるため、該当しそうな場合は査定の段階で申し出ておくと手続きが滞りません。
ROCKEDGEでは渋谷区の不動産査定について、公示地価・路線価・直近の成約事例をもとに、査定額の根拠を書面で提示しています。売却するかどうかを決めていない段階のご相談や、他社の査定書の見方についてのご相談も受け付けています。お問い合わせフォームまたはメールにてお気軽にご連絡ください(フォーム・メールは24時間受付、ご返信は平日10:00〜18:00)。
本記事の数値は公的統計にもとづく目安であり、個別の物件の評価額を保証するものではありません。相続税評価・譲渡所得の課税関係・非居住者の源泉徴収・境界の確定といった論点については、税理士・土地家屋調査士など各分野の専門家へご相談ください。
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対応エリア: 東京・埼玉・神奈川・千葉(1都3県)