この記事でわかること
- 品川区の不動産査定を無料で受ける方法と、費用が発生する例外的なケース
- 査定額がどう決まるか(取引事例比較法・路線価・公示地価)と、自分で概算を調べる手順
- 机上(AI)査定・一括査定と訪問査定の違いと、品川区での使い分け方
- 天王洲・大井町・大崎に多いタワーマンションや、相続した実家がどう評価されるか
- 査定書のどこを読むべきか、揃えておく書類、査定後に売却へ進むときの流れ
品川区の不動産査定は、不動産会社に依頼する場合は費用0円が基本で、費用がかかるのは不動産鑑定士による鑑定評価を頼むときの20万円〜40万円程度(2026年現在・規模や用途により変動)に限られます。つまり「相場を知りたいだけ」の段階でお金を払う必要はほとんどありません。
先月、品川区のご相談者様からROCKEDGE住まい相談室に寄せられたのは、「大崎の築15年タワーマンションを相続したが、一括査定サイトに登録したら1日で9社から連絡が来て、査定額も3,000万円近く開きがあり、どれを信じていいか分からなくなった」というご相談でした。実際に査定書を1枚ずつ拝見すると、高い査定額を出した会社ほど比較に使った成約事例が古かったり、同じ棟でも高層階・角部屋の事例を低層階の住戸に当てはめていたりしました。査定額の数字そのものより、その数字の根拠として何が使われているかを読めるようになることが、品川区で損をしないための最短ルートです。
品川区の不動産査定は無料?費用がかかるのはどんなとき?
不動産会社が行う査定は無料です。これは会社が親切だからではなく、査定が「売却の依頼(媒介契約)を受けるための営業活動」に位置づけられているためです。査定を受けたからといって、その会社に売却を任せる義務は生じません。
費用が発生するのは、次のように公的な根拠を持つ評価書が必要な場面です。
| 目的 | 依頼先 | 費用の目安(2026年現在) |
|---|---|---|
| 売却価格を知りたい・売却を検討中 | 不動産会社の査定 | 0円 |
| 相続税申告・遺産分割協議でもめている | 不動産鑑定士の鑑定評価 | 20万円〜40万円程度 |
| 離婚の財産分与・裁判の証拠として提出 | 不動産鑑定士の鑑定評価 | 20万円〜40万円程度 |
品川区は相続にともなう不動産査定のご相談が多いエリアです。相続人同士の話し合いで金額の合意が取れているなら不動産会社の無料査定で足りますが、意見が割れている場合は、費用をかけてでも第三者性のある鑑定評価を取ったほうが結果的に早く収まることがあります。どちらが適しているかは事情によって変わるため、判断に迷う場合は税理士や弁護士とあわせてご確認ください。
なお、不動産会社が査定額の意見を述べるときは、宅地建物取引業法第34条の2第2項により、その根拠を明らかにする義務があります。「なぜこの金額なのか」を尋ねるのは、遠慮すべきことではなく法律が前提としているやり取りです。
品川区の査定額はどうやって決まる?
マンション査定は「取引事例比較法」が主軸
品川区のマンション査定でほぼ必ず使われるのが取引事例比較法です。これは、同じエリア・似た条件で実際に成約した事例の㎡単価を集め、対象住戸との差(階数・向き・角部屋か・専有面積・築年数・リフォームの有無・駅距離)を加減点して単価を出し、専有面積を掛け戻す方法です。
品川区で査定額がぶれやすいのは、次の3点が事例補正に強く効くためです。
- 同一棟内の格差が大きい:天王洲・港南・大崎のタワーマンションでは、同じ間取りでも低層階と高層階、運河・レインボーブリッジ側と内陸側で単価が変わります
- 再開発の進行度:大井町・大崎・武蔵小山など再開発が進むエリアは、1〜2年前の成約事例が現在の水準と合わないことがあります
- 賃貸中か空室か:品川区は投資用ワンルームの流通も多く、賃借人が入居したまま売る場合は収益還元法(年間賃料収入を想定利回りで割り戻す方法)が主軸に変わります
一戸建て査定・土地査定は「土地+建物」の積み上げ
一戸建て査定と土地査定では、土地の評価に公示地価・路線価・実勢価格を、建物には残存価値を当てて積み上げます。木造住宅の場合、税務上の耐用年数(22年)を超えると建物価格をほぼ見込まない査定になることが多く、旗竿地・接道2m未満で再建築不可・越境や境界未確定といった事情があると、そこからさらに減額されます。
本記事では品川区の平均地価の具体的な金額は示しません。区の平均値は、御殿山・島津山のような高台の住宅地から、大井町・戸越の商業混在エリア、湾岸の再開発区域までを1つに均した数字になり、個別の土地の判断材料としてはかえって誤解を生むためです。ご自身で調べる場合は、次の公的データを使うと精度が上がります。
- 国税庁 路線価図:前面道路ごとの単価が分かります。路線価は公示地価のおおむね80%の水準に設定されているため、路線価÷0.8で実勢に近い水準の見当がつきます
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ:2024年4月1日に運用が開始された無料サービスで、実際の取引価格・地価公示・都市計画・ハザード情報を地図上で重ねて確認できます
- レインズ・マーケットインフォメーション:成約ベースの価格情報を無料で確認できます
机上(AI)査定・一括査定と訪問査定はどう使い分ける?
| 机上(AI)査定 | 訪問査定 | |
|---|---|---|
| 所要時間 | 数分〜翌営業日 | 現地60分程度+報告に数日 |
| 見るもの | 住所・面積・築年・階数などのデータ | 上記+室内の状態・眺望・共用部・境界・接道 |
| 精度 | 幅のある概算 | 売り出し価格を決められる水準 |
| 向いている場面 | 相続税の見当をつける/売るか迷う段階 | 売却時期が3〜6か月以内に見えている |
品川区では、まず机上査定で幅を掴み、絞り込んでから訪問査定、という順序が現実的です。特にタワーマンションは眺望・階数・方角の影響が大きく、データだけの机上査定では実際の成約水準と数百万円単位でずれることがあります。
一括査定サイトは複数社の見立てを短時間で並べられる利点がある一方、注意点もあります。冒頭のご相談のように登録直後に多数の会社から一斉に連絡が入ること、そして媒介契約を取りたい会社が意図的に高い査定額を出す「高値査定」が起こりうることです。高値で売り出して反響がなく、数か月後に値下げを繰り返すと、掲載期間の長い物件として買主に敬遠されます。目安として3社程度に絞り、最高額と最安値を出した会社にはその根拠を必ず尋ねる、というより「必ず尋ねられる」と考えておくと安全です。ROCKEDGE住まい相談室では、他社の査定書をお持ちいただいての読み合わせだけのご相談も承っています。
査定書の見方と、査定額が売却価格にならない理由
査定額は「この価格ならおおむね3か月以内に売れるだろう」という不動産会社の予測値であり、売却価格の約束ではありません。実際の売却価格は買主との交渉で決まり、成約価格が売り出し価格を数%下回ることは珍しくありません。
査定書を受け取ったら、次の箇所を確認してください。
- 採用事例の一覧:直近6か月以内の成約事例か。売り出し中の価格ではなく成約価格か
- 補正の内訳:階数・方角・築年・リフォームなどの加減点が数字で書かれているか
- 想定売却期間:3か月なのか6か月なのかで、提示額の意味が変わります
- 査定額の幅:単一の数字だけでなく上限・下限が示されているか
- 手取り額の試算:仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税の見込みが差し引かれているか
品川区で相続した実家を売る場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」が使える可能性があります。適用対象は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡で、耐震基準への適合または家屋の取壊しなどの条件があります。適用可否は個別事情で変わるため、税務署または税理士にご確認ください。
査定前に準備しておく書類と、査定額を下げないためのポイントは?
訪問査定の前に揃えておくと、精度が上がり、その後の手続きも早くなります。
- 登記識別情報(権利証)・登記事項証明書
- 購入時の売買契約書、重要事項説明書、パンフレット
- 土地の測量図・境界確認書(一戸建て査定・土地査定では影響が大きい)
- マンションの管理規約、長期修繕計画、修繕積立金・管理費の月額が分かる書類
- 固定資産税納税通知書
- リフォーム・設備交換の履歴、耐震診断の結果(実施済みの場合)
- 賃貸中の場合は賃貸借契約書と直近の家賃入金記録
品川区固有の注意点として、タワーマンションでは管理組合の工事審査が厳格で、指定業者リストが定められている物件が少なくありません。売却前にリフォームを検討している場合、養生・搬入経路の確保・エレベーターの予約が必要で、管理組合への申請費用が別途発生することがあります。査定前の大規模リフォームは、費用を売却価格に上乗せできないことが多いため、まずはハウスクリーニングと不用品の処分にとどめるほうが費用対効果は安定します。
省エネ設備についてもよく質問をいただきます。東京都の太陽光発電の補助(1kWあたり12万円)や品川区のエコ関連補助、区独自の耐震改修補助・高齢者や子育て世帯向けの住宅改修補助は、いずれも設置・工事時の負担を軽減する制度であり、売却時の査定額にそのまま上乗せされるものではありません。制度の要件と受付期間は年度ごとに変わるため、利用を検討する場合は品川区および東京都の最新の要項をご確認ください。
査定後に売却へ進むときの流れは?
査定額に納得できたら媒介契約を結びます。媒介契約とは、売主が不動産会社に売却の仲介を正式に依頼する契約のことで、3種類あります。
| 種類 | 他社への同時依頼 | 自分で買主を見つける | レインズ登録 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 | 定めなし |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 契約日から7日以内(休業日を除く) | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 契約日から5日以内(休業日を除く) | 1週間に1回以上 |
専任・専属専任の有効期間は3か月以内と定められており、更新には売主の申出が要ります(宅地建物取引業法第34条の2)。合わない会社に長く縛られる仕組みではないので、まず3か月試すという考え方ができます。
媒介契約後の流れは、①販売資料の作成(写真撮影・図面)→②レインズおよびポータルサイトへの掲載→③内覧対応→④購入申込・条件交渉→⑤売買契約→⑥決済・引渡し、が基本です。品川区のように投資家や遠方の買主が多いエリアでは、Matterportによる3Dスキャンで室内を丸ごと撮影し、購入検討者がオンラインで歩き回るように内覧できる形にしておくと、現地内覧の前段階での絞り込みが進み、賃貸中の物件でも入居者の負担を抑えたまま検討を進めてもらえます。相続で品川区外にお住まいの相続人が複数いる場合にも、物件の状態を全員で共有する手段として使えます。
品川区の持ち家率は約40%(令和5年住宅・土地統計調査)で、区民の多くが賃貸で暮らす一方、天王洲・大井町・大崎などでタワーマンションの相続案件が増えています。売り急ぐ必要がないケースでも、まず無料の不動産査定で現在の水準と手取り額を把握しておくと、相続税の納付期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)に追われる前に選択肢を検討できます。
本記事は2026年8月現在の公開情報にもとづく一般的な解説です。個別の物件の評価、税制の適用可否、相続の手続きについては、詳細は専門家へご相談ください。
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対応エリア: 東京・埼玉・神奈川・千葉(1都3県)